先週末、浜松近郊の舘山寺温泉に行った。泊まったのは「ホテル九重」。最近は、大型旅館に泊まることが多い。目的は、どかーんと広い大浴場。隠れ家系の宿だと風呂場も隠れ家みたいなことが多く、開放感を味わうには少し物足りない。
ホテル九重も、一応このあたりでは評判の高い宿だ。広大な吹き抜けを持つフロント周りでは琴の生演奏、お香の香りも癒し効果充分。客室も次の間付きで浜名湖の眺めも良く何より清潔。肝心の大浴場は、湖の眺望が心地よく、露天風呂は茶色く濁った食塩水の源泉が掛け流しになっている。浴室内に水分補給用のスポーツドリンクが常備されているのも有り難い。脱衣所にもウーロン茶や冷茶がふんだんに用意され、大小のバスタオルも使い放題。サウナ好きには良い環境だ。
全体に館内の「気」が明るく華やか。食事は個室。ぎょっとするほど旨いものはない代わりに、まずいものもない。朝食が簡素すぎる点を除けば全体に高得点。
今年の初めにもこのホテルに泊まったが、その時も朝食が淋しかった印象がある。まあ私の場合、宿に泊まった次の日の昼に浜松近郊で鰻をイヤというほど食べるので、結果的に朝食を軽く済ませられて助かる。
とはいえ、この価格帯(一泊一人3万円前後)の宿の朝食としては、これまで訪れた数々の旅館の中でもワースト1かもしれない。まずくはないが品数が少なすぎ、前夜の晩餐と比べて落差が激しい。
チェックアウト後、昼の鰻まで間が持たないので、レンタカーのカーナビを頼りに、みかんで有名な「三ヶ日」に行ってみた。
国道から見える山の斜面は一面みかんだらけ。結構壮観。国道から適当に山の方に分け入ってみれば、収穫真っ盛りのみかん畑が四方八方広がっている。枝だから落ちたみかんがゴロゴロ転がっている光景が結構面白く、ついピンぼけ写真を撮影。
いい気になっていたら、帰りの新幹線の時間が迫ってきており、訪ねてみたかった鰻専門店をあきらめ、浜松駅そばの老舗「八百徳」の支店に入る。オーダーしてからさほど待たずに出てきた鰻とあって、期待しないで食べたが、個人的には大満足。あまり長時間待たされるのが苦手な私としては、ここで充分かもしれない。
白焼きをつまみに妙に辛口の冷酒をグビグビ。昔から思っているのだが、冷酒のつまみコンテストをやったら、私が1位に強く推すのは鰻の白焼きだ。おろしたての上等なわさびをしっかり乗せて、チョこっと醤油に浸して食べるアノ味は、熱燗でもなければ焼酎でもない。キンと冷えた冷酒だ。
その後、甘すぎない独特な風味のたれ味の蒲焼きに移る。30分ほどで冷酒2合を空けたので、かなり酔う。昼間から呑む酒は素敵だ!。
そして鰻重をかっこむ。高カロリー摂取。
新幹線に慌ただしく乗り込む。いまだ喫煙車が用意されている時代遅れのサービスが有り難い。
それにしても、東海道新幹線は「ひかり」や「こだま」がめっきり減ってしまい、熱海や浜松あたりの人は昔より不便だろうと感じた。「のぞみ増発」といえば、東京を起点とする遠距離利用者には便利だろうが、全路線トータルで見れば、結局は値上げみたいなもの。でもいまだに喫煙車を用意してくれている根性に免じて気にしないことにする。
さすがに夕食は抜いた。
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