東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2007年12月27日木曜日
熱海大観荘
また行ってきました。大観荘。今年5回目。いまどきのモダン和風とは異なる落ち着いた感じに癒される。
とりたてて豪華でもなく、きらびやかでもないが、随所に「安定感」が漂う。本館と別館をつなぐ渡り廊下の風情が良い。そこから見える庭園は、ちょっとやそっとの時間では成し得ない風流な景観。松の木の佇まい、静謐な池、その向こうに広がる海の眺めが非日常感を演出してくれる。
料理も奇をてらったところが一切なく、正統派の逸品が揃う。まさに安心と安定。朝食がまた絶品。自家製の干物はいつ行っても満足できる水準。定番の茶碗蒸しは拍手したくなる味。味噌汁も無言になってしまうほど抜群。生たらこ、佃煮、漬け物、小鍋仕立ての湯豆腐など書き連ねるとわかるが、意表を突いたものは何もないが、それら定番ばかり揃えた上で客を唸らせるのだから率直にその誠実な仕事ぶりを賞賛したい。
シティホテル戦争の一方で、日本旅館が見直されている。超高級路線の宿がアチコチで高い評判を呼んでいる。もちろん、一泊6万も7万も出せば欠点など無くて当然。良くて当たり前の世界だ。逆にそうしたクラスの宿だと、宿を評価したくても自ずと減点法になってしまうのが人間のサガだ。普通なら許せる点、気にならない点までもがイライラの対象になる。
それとは別に、一泊5万円以上の宿ともなると、どうも気安さが希薄になり、お客はもちろん、受け入れ側にも妙な窮屈感があったりする。ノンビリ癒しを求めて投宿したのに居住まいを正して肩が凝ってしまうようでは意味がない。その点、大観荘は、妙な安心感があって実にくつろげる。極端に高級路線ではなく、かといって大衆路線では決してなく、まさに「いい加減」だ(あくまで個人的な趣味だが・・・)。
欠点も書いておかないと宿の回し者みたいだから、とりあえず書く。増築を重ねてきたがゆえの問題がひとつ。動線がかなり悪い。バリアフリーには完全に逆行している。多分、始めていった人は部屋によっては、大浴場との行き来などで迷子になるはず。
飲食店の感想と同様、旅館の感想など個人的な嗜好で決まる。ライフスタイル、日頃の行動、食べているもの、その時の精神状態などなど。このブログの右側にプロフィール欄があるが、それに共感できる人はきっと気に入る宿だと思います。
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