昨日からの続き。
札幌の夜、満腹、泥酔でホテルに戻ってサウナに入ったら、真剣に心臓が危険な動きをしたので、慌てて寝た。朝はスッキリ目覚め、露天風呂とサウナで身体に活を入れる。サウナで一緒になった地元のガソリンスタンド経営者に延々と経営上の苦労を聞かされる。ウチの会社が手掛けているM&A仲介など事業承継サポートの宣伝をしっかりさせてもらった。お互い生まれたままの姿だったので名刺交換は出来ず。
お陰で長時間サウナに入っていられた。
知人に頼まれたカニを市場で物色し、タクシーの運転手と口喧嘩しながら札幌駅に向かう。タクシーの運転手は、やたらと観光客向け市場で買い物をする旅行客を小馬鹿にするかのような物言いを連発するので、そういう馬鹿相手に客待ちするのはもっと馬鹿だと教えてあげた。途端に不機嫌になって運転が荒くなったので、そんな運転では、観光客がはずんでくれるチップなんか貰えないよ。私も10円だってお釣りはあげないよと優しく諭してあげた。
今日は登別温泉に移動。雪見の露天風呂をイメージして、特急スーパー北斗に乗った。特急なら1時間ちょっとで登別に行けるし、真冬の景色を車窓から眺めようと楽しみにしていたが、雪がないから全然白くない。ちょっと残念。
このスーパー北斗はグリーン車に特徴がある。ピンぼけ写真で恐縮だが、見ての通り、一人掛けの席が用意されている。これはひとり旅にはもってこい。隣を気にせず快適な時間を過ごせる。Ipodのボリュームをかなり大きくしても、私が聞いているのがキャンディーズだということが周囲にバレる心配もない。
登別で泊まったのは巨大ホテル「まほろば」。大衆路線だが、新しく全体的に綺麗。何より巨大ホテルゆえに温泉大浴場が異常に大きい点がポイント。繁忙期だと大浴場の混雑にうんざりしてしまうことが多いが、ここは浴槽が何十個もある巨大スペースなので充分のんびり出来る。
基本的に一人宿泊を受付けてくれない宿なので、ネットで見つけた一番ベーシックなバイキングプランとやらを「大人2名」で申し込んでおいた。チェックインの際に、アレコレ言われるのも厄介なので、「連れはあとからきます」などとつぶやいて部屋にチェックイン。その後は大浴場に文庫本を持ち込み、ズーっと裸で過ごした。
さて夕食。大広間のバイキング会場。受付で「連れはあとからきます」と微笑む。用意された席に着く。ひとり旅が好きで、寂しさやわびしさを感じることはないが、賑やかなバイキング会場でひとりで食事をするのは、なんとも落ち着かない。
皿に取りたくなる食べ物があまりなかったので、とりあえずカニを食べて部屋に引き上げることにした。いつ冷凍されたのか分らないカニの脚をタラバ、ズワイ、毛ガニそれぞれ山盛りにして皿、いやお盆にゴッソリ載っけて席に着く。カニフォークの代わりに大きく重いハサミしか用意されていない点がホテルの度量の狭いところか。なるべく面倒にしてしまえば、カニが飛ぶように無くなることはないと思っているのかもしれない。
退屈まかせにせっせとカニ脚にハサミを入れ続ける。何度かに一度の割合で定期的に隣に座っている若いカップルの元にカットした破片が飛んでいく。何度も謝る。そのうち、若いカップルの方からもカニ脚をカットした破片がこちらに飛んでくるようになった。破片ラリー、結構楽しかった気がする。肝心の味についてだが、一応カニの味はした。
雪見の露天風呂計画は、温暖化のせいで不発に終わったが、硫黄濃度タップリの温泉成分を堪能して、健康的な夜を過ごして眠りに落ちた。
あくる日、早朝から温泉を満喫し、目的地の函館に向かう。函館でも温泉と寿司が目的だ。スーパー北斗で約2時間、湯あたりで熟睡していたので、車窓からの景色をあまり覚えていない。大沼公園付近で雪に覆われた景色が楽しめたが、函館市内に近づくにつれ、また雪のない光景になってしまった。残念。
昼過ぎに函館に到着。駅近くの「ひさご寿し」に直行。ここは各種の旅行ガイドブックに頻繁に載っている有名店。かといって、観光客相手のいい加減な大型店ではなく、上質なネタはもちろん、気のきいた一品料理も結構あり、居心地の良さはかなりのもの。函館にはこれまで何度も足を運んで、料理屋さんや寿司屋さんにも随分行ったが、こちらのお店は間違いないレベル。
昼からしっかり飲酒モードに突入。この店オリジナルのイカの正油辛とイバラガニの内子で肝臓の闘いがスタート。
正油辛は、塩からの変形で、自家製の醤油に鮮度抜群のイカとワタをつけ込んだ逸品。醤油のイメージとは違うまろやかさでやみつきになる。イバラガニの内子は、個人的にお燗酒に世界で一番合う酒肴だと思っている珍味。よくあるタラバガニの内子が黒紫色なのに対し、イバラの内子はオレンジ系で味わいも格段にクリーミー。文章で上手にあの味を表現できないことを心から懺悔したい。写真では、気持ち悪い物体のようだが、最高にうまい。
ツブ貝の刺身、カジカの刺身に続き、生の鯨ベーコンの炙りという一品を頼んでみた。塩コショウをしっかり振った生のベーコンを軽く焼いたこの酒肴は、焼肉屋さんで出てくる上タン塩と上カルビ(塩)を混ぜ合わせたような感覚。塩辛系、刺身類のあとで食べるととても良いアクセントになった。
握りは、ここでも鮭児、戸井産本マグロ、ボタン海老が抜群。北海道ならではの味わいで満足。そして、初めて食べたのが、タラの昆布締め。淡泊な味のタラを北海道産の上質な昆布を使って軽く締めてある。いい塩梅の味加減で想像していた味より遙かに美味しい。魚の味を感じられずに昆布風味だけかと思ったが、予想に反して、コブの味が強すぎず魚自体の旨みが引き出されていて素直に美味しい。生寿司ばかりのイメージがある函館で、ひと手間かけた寿司に出会えてビックリした。その他、イクラ、スジコ、北寄貝、内子の握りなどを食べた。全部旨い。
つまみ、握りともにここに書いたもの以外に1~2品づつ食べたような気がするが、昼間とは思えないほど呑んでいたので忘れてしまった。お勘定は諭吉さん1枚と一葉さん1枚でしっかりお釣りがきた。
酔い覚ましに街をふらつく。雪が無くてもさすが函館。寒い。寒いというか冷たい。1時間ほど散策して市街地からすぐの湯の川温泉に向かう。
函館・湯の川温泉は、函館駅からでも函館空港からでも車で10分以内で着いてしまう程度の距離にある。「日本で一番空港に近い温泉街」という点で昔からものぐさな私にとって大好きな場所だ。
東京から箱根あたりに行くのでも渋滞に遭おうものなら3時間ぐらいかかってしまう。その点、羽田から函館までは飛行機でほんの1時間。そこからタクシーで5分も行けば温泉宿にチェックインできる函館は、考えようによっては気軽に行ける別天地といえよう。マイルがたまったり、航空会社の株主優待券がくるとフラッと湯の川温泉に行きたくなる。事実、何度も来ている。
湯の川プリンスホテル渚亭。ここは砂浜の真ん前に露天風呂があり、カモメが羽を休める姿を見ながら入浴できるオススメの宿。一人宿泊もOK。夕食なしでの予約も可能だし、一人での部屋食にも対応してくれる使い勝手のいい宿だ。
寒風吹きすさぶ中で海辺の露天風呂に身を預ければまさに極楽気分。今回は年の瀬とあって、街場の飲食店も閉まっているところが多そうなので夕食は部屋で食べることにした。
昼間ガブガブ呑んだのに夕方のサウナでアルコールはすっかり抜けてしまった。晩酌のおともに昼の散策中に買っておいたイクラの醤油漬けと別注料理の毛ガニ姿茹でで相変わらずグビグビ。基本の料理がどんなものだったか忘れてしまうほどカニとイクラを食べた。尿酸値がどうなっているのかかなり心配だ。これだけやってどうして通風にならないのか不思議だ。
翌日、チェックアウト後に函館朝市のきくよ食堂で朝のうちから懲りずに生ビール大ジョッキ2杯。つまみはボタン海老刺し(8尾もあった)、ホッキ塩焼き(小)、イカ刺し。そしてウニ丼もかっこんだ。ついでに生ビール小も追加した・・・。
足の指がいつ痛くなるのか心配しながら帰宅。翌日の夜、懲りずに近所の寿司屋に行った。我ながらちょっと変かも知れない。きっと私の前世は、魚介類、魚卵類を欲しながら願い叶わず死んだ人なのだろう。
富豪記者様、はじめまして。
返信削除今月行く予定の函館プリンスホテル渚亭について調べていた所、ブログを拝見させて頂きました。
他の記事も読みましたら、とっても面白くて銀座のお話や税金のお話、日航と全日空のお話等、私も共感!!オーバカナルに路上駐車のクルマのオーナーのニュアンス等・・・さすが銀座を知り尽くしていらっしゃる!真のジェントルマンなのですね。
ホステスさんの気合の入ったお化粧、お姿をプロとして称えていらして、同じ女性として非常に納得しました。
私はイベント業に携わっている為、同じ接客業ですし以前から銀座のホステスさんの独特の雰囲気、とても憧れています。
富豪記者様は素敵な女性の方々にモテモテなのが想像できます。
これからも興味深い、ブログを楽しみにしております!!