2008年1月21日月曜日

鮨源

帝国ホテルや新宿のタイムズスクエアなどに入っているお寿司屋さんの「鮨源」。10年ほど前から私がお邪魔しているのが高田馬場にある本店。帝国ホテルにまで進出しているチェーン店の本店が高田馬場にひっそりあるというのがアマノジャクの私にとっては嬉しい。

高田馬場といえば学生街のイメージ。安い定食屋さんや居酒屋がゴマンとあるなか、鮨源は異質かも知れない。客層は大人(オヤジ)ばかり。かなりの高級路線だが、場所柄、いわゆる同伴客はおらず、男性占有率が高いのが特徴かも知れない。

支店がアチコチある店だと、職人さんの移動が多いのが普通だが、この店の職人さんはズーっと同じ顔ぶれ。長く通っているとこんな点も高ポイントになる。

食材は一級品揃い。おそらく周辺5キロ圏内ではピカイチだろう。季節ごとの旬のものがいつでも楽しめる。たとえば旬の時期のイクラなら、塩にも醤油にもつけ込んでいないまっさらな生イクラまで用意してある。少し醤油をたらして口に運べな、フレッシュな生卵に似たエロティックな味がする。

ウニも場合によっては、ミョウバンをつかっていない混じりっけなしの生ウニが置いてあり、貝類も常にイキがよい。生モノ以外にも締めた魚の加減もちょうど良く、煮蛤のような仕事系の食材も常備。一級品の本マグロも当然の顔してレギュラーで、赤身がとくに私のお気に入りだ。

酒肴の中で、面白いのが「ウニイカあえ」。細切りにしたイカの刺身をウニと一緒にあえるのは家庭でも出来るが、このお店では、鶏卵の黄身も一緒にあえる。それぞれの素材がただモノではないだけに、その濃厚さはくせになる。健康には物凄く悪いだろうが、物凄くうまい。唸る。

個人経営の高級店と違い、カリスマ的存在の親方がいるわけではないため、「板前さん達の平準化」もここでは良い循環になっている。3人から4人が付け場で働いているが、皆さん技量はしっかり、あたりもソフト。クセモノ職人的押しつけがましさはまったくなく、変な注文にも快く応じてくれる。やはり中年以上の大人ばかりが来る場所だけに、それに応じた対応がきちんと徹底されている。

ちなみに、不定期で出てくる突き出しのツナが私の大好物。素材は極上本マグロ。端っこだとか捨てる部分が貯まったら作っているのだと思うが、これにあたると、つい「軍艦巻きツナたっぷり」という真っ当な寿司屋では邪道な注文を繰り返してしまう。
以前、このツナがこの店で一番美味しいと言ったらさすがに怒られた。

いまは駅前の雑居ビルに仮住まい中の鮨源本店。少し離れた場所にもともと店があったが、現在新しいビルに建て替え中。秋ごろには新装オープンだとか。

「高田馬場で一番高い店」と表現されているが、内容から見れば当然かも。高くてもうまいものを食べたい。でも銀座や六本木まで行くのは面倒だという時、このお店の存在は実に有り難い。きっと通っているお客さんの心理も同じだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿