2008年3月25日火曜日

節税ネタと情報の肝


バブルの頃、税務専門新聞の記者として、さまざまな節税ネタを取り上げた。いま思えば、首をかしげたくなるような内容のものもあったが、それがあの時代だった。節税効果が高い金融商品や不動産投資、各種設備投資ネタが随分あった。

国税当局も節税封じに躍起で、取材によって掴んだ節税規制動向などは、いろんな世界からヨダレもので情報開示を求められたが、さすがに横流しも出来ずに苦労した。

当時は、いわゆる“ちょうちん記事”の誘惑も多かった。「書いてくれたら○×をさし上げます」とか怪しい話がかなり寄せられた。

広告収入より購読料収入をメインにしている新聞の“立ち位置”もあって、なんとか甘い汁に骨抜きにされずにバブルの時期は過ぎた。

正直、いま思えば、もったいなかった、惜しかったと思うこともチョットある。でもそんなこと一応言えない(書いちゃってるけど)。それなりに突っ張ってないと、ペンを持つ仕事ってどうにもおかしな方向に行ってしまいがちだ。

安易なジャーナリスト論を振りかざすつもりはないが、報道関係ってそこは肝。不良業界誌が雨後の竹の子のように存在するのもある意味よく分かる。でもその一線が記事の質に天と地ほどの差をつけるのは間違いない。

話がそれた。節税ネタの記事の話だった。

最近は、昔のように全体が好景気という形ではなく、二極化、すなわち勝ち組、負け組がはっきりしてきた。それにともなって、儲かっている企業の節税熱も昔のように過熱してきた。

「納税通信」が今月取り上げたニュースでも高級クルーザーが売れている話に結構な反響があった。

売れ筋は「億」を超える価格のクルーザー。
当然、中小企業経営者の間では、ポケットマネーか会社の経費かという二つの財布論が浮上する話だろう。

税務署的視線はどうしたって硬直的。すなわち、「会社名義のクルーザーなど社長個人のつけ回しだろう」というもの。

個人的に楽しむものを会社の経費で購入すれば、税務署が突っついてくるわけだが、あくまで会社の福利厚生が目的であれば会社名義もあり得る話。

その福利厚生目的を立証するのは企業側の責任。あくまで実態は大事だが理論武装が明暗を大きく左右するのも事実だ。

税金の解説本や実務解説の雑誌類には、その手の情報は載っていない。オーナー社長専用新聞として「納税通信」にはそうしたヒントを数多く掲載している。

税金対策とひとくちに言っても、実際には税務署的視線を念頭に置かなければ、いざという時に困る。法理論ばかりの机上の知識だけでは心もとないオーナー社長の皆様にお勧めです。

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