2008年5月7日水曜日

中村征夫さんの個展


日本橋三越で開催中の中村征夫さんの写真展に行ってきた。ご本人も連日トーク会のために会場につめているようで、その実直かつ優しい人柄に間近で触れることができる。

ミクロネシア・トラック島そばのジープ島、エジプト・紅海、沖縄・慶良間諸島での作品を中心に彼のライフワークでもある東京湾の環境生態写真も数多く展示されており見ごたえ抜群。

画像で添付した入場券の写真、半分しか写っていないが、サカナ型にぽっかりあいた穴から見える青い海、このシルエットに穴の形と同様の形の魚が浮かんでいて楽しい。現物は会場でご覧いただきたい。

前述した撮影地以外にも、南国関係は私自身行ったことがあるところばかりなので、親近感を感じるとともに、写真のレベルの違いをまざまざと実感させられた(当たり前だが)。

私にとって大収穫だったのは、改めて水中撮影へのモチベーションが上がったことだけでなく、自分が20年以上遊びとはいえ一生懸命撮影してきた写真の「悪い癖」に気づいたところだろう。

悪い癖とは、ようするに「オリジナリティの無さ」に尽きる。簡単に言えば、「どこかで見たようなアングル」、「何かを真似したような作風」だということ。

写真撮影をまじめにやってみたのは、水中からなので、カメラの基本も構図の基本もすべて水中写真が自分にとってのベース。そうなると、ダイビング雑誌に掲載されていた綺麗な写真や各種の図鑑で見た写真が頭に強くインプットされ、なんとなくそのモノマネ的な写真を必死に撮影してきたような気がする。

何千回、何万回、シャッターを切ったかわからないが、出来上がりを見て、自分で気に入ったのは、すべてそうした「何かに支配された写真」ばかり。ボツにして捨てた写真の中にきっとオリジナリティにあふれた面白い作品がいっぱいあったように思う。

中村さんの作品を見ていて、さすがに第一人者だけに、独創的な視点の作品がたくさんあった。すごく新鮮な衝撃と言っても過言ではないだろう。やはり一流のものにじかに触れる経験って大事だと痛感した。

そんなことはともかく、ダイバーであるなしにかかわらず、とても癒されたり、考えさせられたりする写真が大量に展示されている。まだ会期は残っているので、是非足を運ばれることをお勧めします。

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