2008年5月26日月曜日

安心快適抜群の鮨

なんだかんだいっても行きなれた店は安心。その店のレベルが高水準なら尚更だし、行きなれているからこそ、美味しいものにありつけることも多い。

冒険心で新たなとっておきの店を見つけるのも楽しいが、慣れた店で安心してうまいものにありつける時間は貴重だ。

高田馬場にある鮨源。現在、もともとの所在地に新しいビルを建設中で、駅近くの雑居ビル地下で営業中。古めかしい雑居ビルの地下に名店が隠れているとは通りすがりの人には想像も出来ないだろう。

帝国ホテルや新宿高島屋にもチェーン展開する鮨源だが、ここ高田馬場が本店。チェーン展開といっても板前さん達が頻繁に各店を移動するわけでなく、本店でも昔から大きく変わらない顔ぶれがつけ場に立つ。

先日、訪ねた際、この店では何が一番人気なのか改めて聞いてみた。一番はマグロだとか。そりゃそうだ。鮨の王道だし、この店では味わい深い本マグロがレギュラーだから、当然だれもが注文するはず。

個人的には赤身を良く食べる。酸味というか鉄分の強い独特の香り高い味わいはしみじみ旨い。刺身でも良いが、その場で注文するヅケも官能的な味わい。

入店間もないうちに早めに頼んでおいて、最後に食べれば、しっかり漬かるし、即席で10分程度漬けただけでも、軽やかに美味しい。

二番目に人気があるのは光り物全般とのこと。アジ、イワシ類は確かにいつもピチピチだ。サバも一年中美味しい。バッテラ風に甘い味付けの昆布を載せて食べるのもお勧め。コハダも安定的に美味しいし、間もなく季節を迎えるシンコもいつもフワフワと美味しい。

個人的には、最近はカツオがとてもお気に入り。この時期のカツオが一番好きかも。くどすぎず、あっさりすぎず最高。

魚介類すべてが一級品レベルで鮮度も申し分なし。鮮度が良いだけでなく、煮ハマグリや白身の昆布締めなんかも常備してあり、ラインナップは豊富。

つい酒飲み場所として考えてしまう私にとっては、酒肴類も楽しい。いつも注文するウナギの串焼きは、蒲焼きではない直焼で歯ごたえが適度にあって必ず頼んでしまう。

イカのくちばしやタコの吸盤などの串焼きも常備されているのに、ついウナギ一辺倒になってしまう。

肝類好きな私が幸せを感じるのは、さばきたてのアワビの肝がいらっしゃるタイミングに居合わせた時。

磯の風味タップリのナマの肝はポン酢とモミジおろしの協力によって私を昇天させてくれる。

アワビの肝がいらっしゃらなくても、最近教わったツブ貝の肝もイケる。

鮨源では、ツブ貝など多くの貝を、注文の都度、殻から剥いてくれる。当然、ツブ貝にも肝があるわけだが、最近はじめてナマで食べてみた。

色っぽい見た目とは裏腹に、味わいは割と爽やか。クセを感じない淡泊な感じだなあと思いながら口の中で転がしていると、しっかりキモ特有の“エロティックなジュワリ風味”も出てくる。

アワビの肝ほど迫力はないが、控えめにキモキモした風味を楽しめる。いいつまみになる。

先日は、いつまでもダラダラ焼酎を飲んでいたら、有り難いことに変わった一品を出してもらえた。クジラの尾の身の唐揚げ。

これがまたロックで呑んでいた焼酎「風憚(ふうたん)」によく合う。聞くところによると最近はクジラも準レギュラー的に置いてあるそうだ。前にも聞いたような気がするが、いつも酔っているので、忘れてしまい注文しそびれる。

そこそこ頻繁に訪ねている鮨源本店。高田馬場界隈にこれだけの水準の店があることは、ある意味奇跡的だが、さすがにそれだけに混むときは混んでいる。

レベルの高い店にありがちな堅苦しさはなく、おまけに年中無休。ついでにいえば昼から夜にかけて暖簾をしまわず、通しで営業している点も偉い。その気になれば陽の高いうちから酩酊できる。いい店だと思う。

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