世の中、あちこちにエラい人がいる。「麻生太郎とは友達だよ」とか「○×組の組長とはゴルフ仲間だ」などと、とかくビッグネームとの交遊を自慢したがる。
このテのエラい人は、とにかく自分が特別じゃないと気分が悪いようで、どんな場面でも、スペシャルな自分を強調したがる。
経営者が忌み嫌う税務調査でも、そんな強がりは日常茶飯事のようで、調査官達も、そうした脅しにもならないフレーズに慣れっこになっている。
それでも、然るべき人物が本当に然るべき人物と昵懇だったりすることもあるので、調査官サイドも、表面的にはエラい人を立てているのが実のところだ。
ちょっとしたエピソードをひとつ。
政治家や有名人との付き合いがあり、大物のつもりでいる某オーナー社長の会社に税務調査が入った。
当然のように、社長さんはアレコレ言い始める。「オレは自民党の誰某とは深い付き合いだ」などの余計な前振りつきで「どうしてウチに調査に来たんだ」、「おまえらみたいなチンピラが何様のつもりだ」と怒る。
調査官は、しばし、恐縮しているかのような表情を見せながら、こう答える。
「私ども税務署で役不足でしたら、明日にでも国税局から改めてお伺いすることにいたしましょうか」。
調査官の切り返しが意図することにピンとこない社長さんでも、同席している顧問税理士があわてて取りなすことになる。
だいたい、税務調査の厄介さは、然るべき人であれば理解している。国会議員のような人気商売なら、当然、自分がそこに首を突っ込んだ場合のリスクもわきまえている。
国税局や国税庁では、政界関係者からの何らかの働きかけは、基本的にすべてを記録している。
働きかけや質問、陳情類の内容、応対者などの詳細がファイルされているわけだ。ブラックな企業や事件の陰で暗躍する政治家は、軒並みリスト化されているわけで、賢いセンセイがたは、国税案件には首を突っ込みたがらない。
国税の怖さは、どこに対しても税務調査権という懐に手を突っ込む権力を行使できる点にある。いくら警察がコワモテだろうと、あくまで犯罪者ばかりを追っかけるわけで、税務署とはその部分が決定的に違う。
まっとうな業務を普通に展開している企業に警察官が乗り込んでくることはない。税務署はそれができる。この部分は大きい。不気味な怖さといえよう。
支援者の関係企業の税務調査に首を突っ込んだセンセイには、しかるべき国税幹部が、丁重に対応する。
決めゼリフは「センセイほどの方がこんな案件に深入りされますと、ヤケドなさることもありますよ」。
たとえ自分のスネにキズがないようなセンセイだって、周囲の関係者すべてに睨みをきかせられる国税当局にそんなこと言われたら、みなさん“君子”になるのも当然だろう。
税務調査で特別な助っ人が意味を持つのは、よほど解釈が微妙・複雑な案件で当局側と対立したようなケースに限定されると思った方が賢明。
こういうケースでは、顧問税理士ではなく、その分野に精通した専門家やその分野に詳しい国税OBなどに知恵を借りるケースはありえる。
世の中には、あたかも自分が中に入れば国税なんか引っ込むなどと吹聴して、怪しく動き回る人物が結構存在する。そんなのに限ってまず間違いなくインチキ。
顔がきく、着地点を上手に見つけられる、等々。確かにそういう人物がいないわけではない。ただ、たいていが、そうした技能を表立って強調することはなく、あくまで黒子のように徹している。
経営者向けの税金専門新聞を発行していると、こういう類のビミョーな話を頻繁に見聞きする。
常日頃から税の世界の知られざる話題を拾っておくには「納税通信」はオススメ。
イルカの水中写真を検索していたら、こちらの過去の記事にヒットしました。イルカと泳いだなんて、素敵ですねぇ。
返信削除私も泳ぎをマスターして、のびのび解放されたい気分…
ところで、「おれは●○●をよく知っているから…」とか、やたら有名人・文化人を楯にする方、私も信じられません。自分に自信がないのでしょうか。それとも何か隠して……これ以上は自粛します(^_^;)
コメント有り難うございます。イルカと関係のない話まで読んでいただき恐縮です。泳げなくても、ライフジャケットをつければ三宅島そばの御蔵島近辺なんかでは、自然のイルカと戯れられますので、思いきってチャレンジされると解放されるかも知れません。沖縄とかハワイ、パラオあたりでも管理されたエリアでイルカと遊べる場所があるはずです。泳げなくてもそれなりに楽しめるはずですので、ぜひ、イルカのテレパシーを直に感じてみて下さいね。
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