2009年1月16日金曜日

1月16日 景気を刺激したいなら

今日もウマイものの話や夜の繁華街バナシじゃなくてスイマセン。昨日に引き続き定額給付金の話。

昨日は、景気刺激策として位置付けるなら、わけの分からないバラマキより、所得税の納税額の一定割合を減税するほうがよっぽどマシという持論を書いた。

たとえば、納税額の2%を戻すことにしたら、年間の所得税額30万円の人なら6千円、300万円の人なら6万円。1千万円の高額納税をしている人には20万円がバックされる。当然、高所得者層に手厚くなり、納税額ゼロの人には効果は及ばない。

世間一般の感情論では、不公平だとか、金持ち優遇だとか、お決まりの文句が殺到しそうだが、「景気刺激」というお題目なら理にかなったやり方だと思う。

考え方は消費税と似たようなもの。一律課税の逆張りみたいな話。消費税だって収入の多い少ないにかかわらず、一律税率で課税されている。高額な消費をする人は税金も多く納め、貧しい人は消費が少ない分、税金も少なくなる。上記した減税策もこれと同じような話でしかない。

いっぱい税金を納めた人ほど戻りが多くなって当然だし、景気刺激にも直結する。

まあ現実の政治判断では、金持ちばかりが優遇されるように錯覚されるこうしたスタイルが採用される見込みは薄い。納税額ゼロであっても立派な有権者だし、このあたりの階層の声は総じて大きく扱われるのが世の常だから実現は難しい。

さてさて、そうであるなら効果的な減税策として消費税に着目してもいいと思う。一部の識者の間では、以前から提言されているものだが、期限付きで消費税の税率を引下げるというアイディアだ。

今回の定額給付金の予算規模は2兆円。この金額、ごく大まかに言えば消費税の1%分に相当する。つまり、現在5%の消費税を1年間の時限措置として4%にするという理屈だ。

これが実現すれば景気刺激効果は抜群だろう。クルマを買おうとしていた人、家を買おうとしていた人、ちょっと高額な出費を考えていた人が、減税効果で一斉に動き出す。様子見だった人の重い腰を上げさせるには最適だ。

高額出費になればなるほど消費税の1%分はバカにならない金額になる。定額給付金のような“さもしい”制度よりよっぽど効果があるはずだ。

難問は財務省のDNAぐらいだ。消費税導入時、その後の税率引上げの際に吹き荒れた反対運動のせいで、消費税は旧大蔵省時代からの“鬼っ子”のような存在。

さかのぼれば大平首相時代の一般消費税、中曽根首相時代の売上税という2回の挫折を経て、ウン十年かけてボロボロになりながら導入した苦労の産物が消費税。そんな鬼っ子であり虎の子の消費税を減税するなんてトンデモナイというのが財務省サイドの本音だろう。

確かに一度引下げた税率を元に戻すことは、なかなか厄介な話ではある。元に戻すだけなのに増税という見方をされてしまいがちだ。

とはいえ、消費刺激策が緊急の国策ならば消費税減税は優先して検討されるべきテーマだ。あくまで期限付きにすることで、かえって期限間近の駆け込み需要も喚起される。

消費税の税率が5%に引上げられたのは平成9年。当時、個人消費が激しく落ち込んだことが問題になった。逆に言えば、税率引下げが実現すれば、確実に個人消費を後押しすることは確実。

定額給付金で2兆円ものバラマキをするのなら真剣に消費税減税を考える方がマシだ。

1 件のコメント:

  1. 消費税の1%減税なんでしょうね。
    一旦1%下げる。
    増税の話は政治家にはやりにくいのかも知れませんが、でも、消費税増税は、既定路線のようになってきているからダメージもほぼないでしょう。
    数年後の景気回復局面で予定通りに消費税増税。
    この発想は、増税直前の駆け込み需要がミソ。
    当然、その増税時に抵抗はあるにせよ、お上のやり方としては充分検討に値すると思います。
    まあ、選挙のことだけ考えている政治家の発想にはないのかも知れませんが。

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