政権の迷走だけでなく、野党第1党まで政治献金スキャンダルが直撃して、ますますニッチモサッチモ状態の政局。
今年は解散総選挙が行われる年だけに、今後起こりえるあらゆるトピックが、向こう数年の政治状況を変える可能性がある。
昨今の状況を見るにつけ、平成4~5年に吹き荒れた日本新党ブームを思い出す。細川護煕元熊本県知事が、既成政党の談合型離合集散を嫌って旗揚げ、あれよあれよと参院選、衆院選と議席を獲得。新党旗揚げのわずか1年後、細川氏は非自民連立政権で首相に上りつめた。
その後の細川連立政権のメロメロぶりはさておき、あのとき、日本中に吹き荒れた“風”は猛烈だった。まさに嵐。
自民、民主ともにフニャフニャした感じの今、まもなく行われる衆院選に向け、第三極の登場が十分に考えられる。カリスマ性、スター性、そしてメディア受けする人物がリーダーシップを発揮すれば、日本新党ブームのような風が吹くのは間違いない。
郵政騒動以後、無所属を貫き、一部で根強い支持を集める平沼赳夫氏衆議院議員や先日自民党を離党して一気に知名度を上げた渡辺喜美衆議院議員あたりも、当然、第三極を視野に入れている。
また、昔の名前で出ています的な空気は濃いものの、亀井静香衆議院議員らによる国民新党あたりも、第三極として政界再編のカギを握りたい思惑が強い。
こうした面々からすれば、今回の小沢スキャンダルによる民主党のダメージは大歓迎といったところか。
自民党はボロ負け、民主党も圧倒的多数は無理となると、当然政界再編が取りざたされるわけだが、今名前を挙げたような面々が、16年前の細川氏ばりの風を吹かすことは現実的には難しい。
あのとき、細川氏が猛烈に支持された理由はただ一つ。「手垢がついていない」というイメージ。この点からすると既存の永田町の面々ではパワー不足。手垢つきでも風を吹かすことが出来るのは小泉元首相ぐらいか。
そう考えると、いま風を吹かすことが出来るのは誰だろう。永田町の外という意味では、知事の面々も候補。
橋下大阪府知事、東国原宮崎県知事あたりも、揃えるメンバーやブレーン次第では、突風ぐらいは起こすことが可能だろう。好き嫌いはともかく、閉塞感という敵の前では、知名度は抜群の強さだ。
石原都知事は、年齢的にさすがにありえないが、それ以上に過去に何度もあった石原新党待望論に飽き飽きした国民心理もあって、「いまさら」感は否めない。
もちろん、急浮上するカリスマは、意表を突いて出てくるからこそブームを呼ぶ。その点で、素人が今予想しうる人物では爆発的パワーを発揮するのは難しいという見方も出来る。
学者、評論家、財界人あたりを俯瞰するといろいろな顔が浮かぶ。はたしてどんな面々がいまこの時、虎視眈々と天下取りを狙っているのだろう。
逆に新しい風を巻き起こす人物が出てこないようなら、かなり危機的な状況と言える。ここ2,3か月の動きが興味深い。
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