2009年3月27日金曜日

セカンドハウス

先日の地価公示でも土地の価格下落が顕著だったが、不動産取引にも不況の影響は色濃く出ている。

新規マンションの着工件数も激減し、ひと頃のマンションバブルもあっと言う間に過去の話題になった。

内需に注目した政策を推進する以上、住宅取引の活性化は重要なテーマだ。経済政策でも住宅関連に力点が置かれているが、諸制度の改正はあっても基本的には既存の政策の延長でしかない。大胆な発想が欲しいところだ。

税制上も住宅関連には数々の優遇策が設けられている。住宅ローンの残高に応じて税額を減らしてくれる住宅取得控除などがその代表だ。

最近の改正で、以前よりも「大盤振舞い」といえる減税規模になってきたが、ひとつポイントをあげるとすれば、こうした制度の前提は、すべてが「居住用物件」に限定されている点だ。

すなわち、セカンドハウス、別荘的な要素がある物件には恩典はない。一見、ごもっともな考え方ともいえるが、そうだろうか。

「マイホームも買えない人が大勢いるのに別荘に優遇策なんてトンデモナイ」。これが一般論だろう。とはいえ、いっぱしの先進国になった今、週末を過ごすセカンドハウスと平日を過ごす都心部の住まいを分けて考える人は決して少なくない。ビックリするほど贅沢な話だとも思えない。

一部の富裕層だけの話ではない。首都圏のサラリーマンの中にはそうした発想を持つ人が少なくない。闇雲にセカンドハウスイコール贅沢という発想は時代遅れだと思う。


こうしたセカンドハウス需要にも「居住用」を条件とする各種の優遇策を適用すべきだと思う。格好の経済政策になる。

国の中枢である首都圏の人々にしか当てはまらないかも知れないが、現実の経済効果を考えるなら首都圏の動きをターゲットにしたほうが話が早い。

セカンドハウスが奨励されれば、結果的に疲弊する地方経済にもプラスになる。日本中でだぶついている中古リゾートマンション市場にも光が当たることは確実だ。

「居住用」の物件に対する税制上の優遇策は、たいていが床面積基準を設けている。既に優遇策を適用している住宅のなかには、基準となる床面積を使い切っていない、すなわち、狭い物件で我慢しているケースも多い。

せめて、この余った床面積分まではセカンドハウスに対しても大幅な税の減免を認めるとか、やり方はいくらでもある。

「別荘は贅沢」という固定観念はつくづく意味がないことだと思う。ベンツも買えないぐらいの値段で、中古ならそこそこの週末用リゾートマンションが買えるのが現実だ。

それなりに余裕がある人の中にもそんな現実を知らない人は多い。経済力のある人に気付いてもらって、動いてもらわなければ景気刺激なんて無理。

低所得者層からの批判を恐れてばかりの政策なんかいくらやっても効果は薄い。分かりきった話だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿