2009年4月13日月曜日

番記者 贈与 借金

番記者というと聞こえがいいが、その代表のように見られている首相の番記者は、まだまだ世間を知らない若者が勤めるのが恒例。ステレオタイプの質問を深い洞察もなしに繰り返す。

追加経済対策が固まった日、どこの新聞社の若手かは知らないが、相変わらずの「金持ち優遇批判」が飛び出した。贈与税の非課税枠を住宅取得資金に限って500万円にするという部分についての質問だ。

麻生首相は、貯めたお金を使わない高齢者が多いことを理由に、金持ち優遇とは思わないとの返答をしていたが、この若手記者にこんなくだらない質問をさせたデスクなり上司の神経を疑う。

当初は、2500万円程度まで贈与税を無税にしようという議論が出ていたが、相も変わらぬ“金持ち優遇批判アレルギー”という魔物が出てきて、結局、「住宅資金限定で500万円まで無税」という中途半端な結論になった。

15兆円もの規模で経済対策を実施するということは何を意味するのか。答えはひとつ。経済状態が、まさに有事であるということ。有事の際に、いつもと変わらない発想で対処しようとしていること自体が、官僚主導の政治の限界だ。

高額な贈与に税金をかけないという政策は、お金持ちに有利だ。そんなことはバカでもわかるが、そのお金が動いてくれなきゃ景気刺激なんかありえない。

国が先頭を切って、お金持ちにお金を動かしてもらうことを考えて、頭を下げてでも消費に貢献してもらうという路線に舵を切れないようでは、15兆円の効果だって怪しいものだ。

有事の際には有事らしく、既存の発想を打破しなければ意味がない。今の状況を考えると金持ち優遇批判を恐れてヘッピリ腰になっている場合ではないと思う。その発想こそが「金持ち冷遇」だ。

追加経済対策では、採算が合わずに計画が凍結されていた地方の道路計画を復活させるような話もあるとか。ナンダカナーという印象はぬぐえない。

イナカの政治家の利権がこんな場面でもチラチラしているようでは、まさに何をか言わんやって感じだ。

500万円の贈与税無税策だって、どうして居住用住宅限定なのか分からない。クルマを買うとか、家財を買うとか、旅行だっていいだろう。とにかく貯蓄以外の消費に回すことを条件にすれば、用途をお国が決めつける必要は感じない。

15兆円の“真水”。すなわち、国民の血税だ。効果がなければそのまま国民に借金がのしかかるだけ。なんかイライラする。

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