2009年4月24日金曜日

草彅メンバー 「猥褻」

“草彅メンバー”が捕まったことで、がぜん「公然わいせつ罪」に関心が集まっているらしい。結構ファンキーなテーマなので、つい取り上げたくなった。

「わいせつ」より「ワイセツ」、それよりも「猥褻」と表記したほうが妙に淫靡に見えるのはナゼだろう。私が変なのだろうか。近年の刑法の口語表記実施によって、いにしえの「猥褻」は姿を消してしまい、「わいせつ」が正式に法律表記になったらしい。ちょっと残念。

新聞社には、独自の平仮名表記がルールとして徹底されており、草彅メンバーの報道も、そのせいで「公然わいせつ罪」と表記されているのだと思っていた。ところが、法的な正式名称が「猥褻」ではなく「わいせつ」に変わっていたことが理由だったわけだ。変なことで勉強になった。

わが社の記事作成ルールでも、用語によっては「言う」は「いう」。「事」は「こと」、「誰」は「だれ」、「所」は「ところ」などといった平仮名表記が決まり。たまにコラムを書く私は、ついついルール無視の原稿を入稿し、整理部から赤を入れられる。

「我々」とか「早速」みたいに平仮名にすると文字数が増える場合、ルール逸脱を乱発すると、文字数が決まっているコラム欄などでは、記事があふれてしまい、全体を修正する必要が出てくる。そうなると制作スケジュールにも響くわけで、結構厄介事になる(これだって“やっかいごと”という表記を迫られる)。

ただ、ニュース記事ではない余興的なコラムや論説的な小さい記事であれば、漢字と平仮名によってニュアンスが微妙に変化することもあるので、ルール無視の表記も許してもらうこともある。

さてさて、新聞表記の話ではなく、「猥褻」の話だ。最高裁の判断を引用すると、その定義が結構イカしている。

●「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」●

不謹慎を覚悟で言うと、実にセクシーな言い回しかもしれない。エロを学術的・法律的に語るとどことなく嬉しい。“普通人の正常な性的羞恥心を害する”なんて言い回しは実に官能的に見える。

「普通人」、「正常な」と言われると、オレは他の人とは違うとか言い出す輩が出そうなので、法的解釈では、「わいせつ」の判断を下すにあたって身体の具体的な部位を列挙している。

「性器、陰毛、肛門、女性の乳首」がそれに該当する決まりだ。乳房ではなく乳首と規定されているところがいじらしい感じだ。なるほど、だから叶姉妹は公然わいせつにならないのかと妙に納得する。

草彅メンバーの場合、誰もいない深夜の公園で裸族タイムを楽しんでいたため、公然わいせつにはあたらないという声もあるようだ。それも正論だが、判例とかでは、「不特定の人に見られる可能性」も判断の要素にされるため、一応、逮捕要件は満たしているのだろう。

私も家族がいない時は、自宅で束の間の裸族タイムを過ごす。そういう時に限ってクリーニング屋さんや宅配便がやってくる。さすがに裸族のままでは玄関扉を開けない。常識ある普通人だからだろう。そう考えると草彅メンバーが警察官に言った「裸になって何が悪い」という魂の叫びはやはり通用しない。哀れな話だ。

今日は何を書きたかったのだろう。「わいせつ」に単純に反応してしまっただけみたいだ。

ついでに、というかお詫びに新聞業界ネタをひとつ紹介したい。

一般紙の社会面によく載っているエロオヤジ事件に関する言葉の意味合いについて。「わいせつな行為」と報道される場合と「みだらな行為」と書かれる場合に別れているのをご存じだろうか。

昔から定説になっているのは、「最後までしちゃったかどうか」がその違い。すなわち、「わいせつな行為」は、触ったりなぜたりといった段階でおさまったケース、「みだらな行為」は最後までしちゃったケース。厳密な定義ではないものの、そんな意味合い。

前者のほうで捕まるのは少し切ない・・。

4 件のコメント:

  1. なるほど!

    以前から疑問に思ってたんです、「みだらな行為」って何だって。
    昔はそんな言い方しませんでしたよね?

    すいません、そんなところに反応して・・・。

    一つ疑問が解消しました。
    ありがとうございます。

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  2. 逮捕されるぐらい「みだらな行為」に没頭するっていうのも、ある意味幸せでしょうね。。。

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  3. みだらな行為
    淫らな行為

    後者の表記のほうが卑猥に思えます。

    「ふしだら」なんて言い方もありますね。

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  4. コメントありがとうございます。
    やっぱり漢字のほうが卑猥さが奥深くなる感じですね。。。

    キスより接吻、ベッドインより同衾。。。

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