東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2009年5月7日木曜日
漫画 MOF
久しぶりに一生懸命マンガを読んだ。麻生首相にあやかったわけではない。人に勧められた霞ヶ関官僚を主人公にした劇画を真面目に読破した。
2~3年前の作品らしい。タイトルは「もふ~現在官僚系」。いうまでもなくMOF(Ministry Of Finance)が語源。すなわち財務省が舞台だ。
ひょんなことで財務省のキャリア官僚になった三流大学出の型破りの若者が主人公。霞ヶ関の常識とぶつかりながら既成概念にとらわれずにハッスルするストーリー。
細かいディテールはともかく、官僚機構や政治システムのポイントを衝いていて素直に面白く読んだ。
政治マンガはいろいろあるが、官僚を主人公にしたマンガは珍しい。よくぞまあ地味な公務員の仕事を劇画に仕立てたものだと思う。
農水省とBSE対策をめぐってぶつかったり、ODA利権をめぐって外務省と闘ったり、脱税もみ消しの政治的圧力に直面したり・・。題材自体がマンガにはなりにくそうに思えたので劇画に仕立てるプロの仕事に感心。
もう20年近く前だが、私自身、劇画のシナリオを書いていたことがあった。わが社が発行する『納税通信』で劇画を掲載することになり、漫画家は決めたもののストーリーは内製するしかなく、私が即席の劇画原作者になったわけだ。
学生時代、シナリオライターを夢見た私だ。そこそこ自信があったが、やってみると大変。会話ばかりで動きのない作品になってしまいがちで苦労した。
内容は、映画「マルサの女」の向こうを張るような内容で、イケメン国税調査官が脱税者を追い込むことが基本。
とはいえ、脱税の裏側にある心の葛藤や人間ドラマを描きたいと思った私の路線では、ストーリーが地味すぎてダメ。
無理やりセックスシーンを入れたりしたが漫画家さんのタッチもなんかイメージと違って苦戦した。
この時の漫画家さん、当時すでに三世代ぐらい古い感覚の人で、随分と修正指示をしなければならなかった。
なかでも主人公がディスコに内偵に行くシーン(まだ当時はクラブといえば私が好きな方の話で、踊る場所はディスコだった・・)が忘れられない。
漫画家さんが持ってきた作画を見てびっくり。店の看板に大きなカタカナで「デスコ」と書かれている。ローマ字表記ならともかく、カタカナでデスコ!。卒倒した。
シナリオのまねごとのおかげで、才能の無さを痛感したわけだが、冒頭で紹介した劇画だけでなく、題材が地味でも面白いエンターテイメントに仕上がるものって多いのだと思う。
税金や会計分野でも「女子大生会計士の事件簿」という本が売れて、ドラマ化もされた。小林稔侍が税務調査官役の2時間ドラマも相変わらずやっている。
税金に関する情報、なかでもわが社の『納税通信』の場合、単なる解説誌とは違う独自の編集方針のせいで、硬軟合わさった様々な情報が寄せられる。ドラマチックな話も少なくない。
そう考えると私のまわりにもベストセラーになりえる素材ぐらいは転がっているのかもしれない。シナリオライターの夢は今しばらく取っておこう。
冒頭で紹介した財務官僚の劇画、8巻まである作品なのだが、わりとアッという間に読んでしまった。自宅に設置したサウナのおかげだ。
中年男が電車の中で漫画を読む姿はいかにも格好悪い。とはいえ、職場で広げるのも気がひける。その点、マイサウナは都合が良かった。
読み終わったマンガをどうしようか思案中。内容が内容だから、執務参考図書としてわが社の編集長が買い取ってくれないだろうか。
私の汗が染みこんだ分、プレミア価格になるかもしれない・・・。
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