東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2009年7月21日火曜日
脱税
節税なのか脱税なのか。その明確な違いは分かっているようで分かりにくい。一般的には合法的手段なら節税、法令違反を承知の上なら脱税と分類される。
実際には、そう単純ではなく、極論すれば、税務行政当局が気にくわないと思えば「脱税」のレッテルを貼られかねない。
合法だと思って納税者が行った行為でも行政側は、さまざまな角度から否定しようと躍起になることがある。事実、白が黒に変わってしまったことは過去にもあった。
「気の効いた節税策」というものが世の中に出回らないのはそのせいだろう。出回っている節税策は、さほど大きな税額減少効果がなかったり、現実的な商取引の中で使いにくい仕組みだったり、はたまた既に規制される道筋がついている方法だったり。
「気の効いた節税策」は結局、オモテには出てこない。税金の専門新聞を発行していると随分とその手の情報が集まってくる。なかには当然、活字にしにくい話や、行政当局に裏取り取材がしにくい話も少なくない。
当局側からわが社の現場記者が勉強会的な集まりに誘われることもある。深く静かに広まっている節税策について、こちら側が掴んでいる情報を聞き出したい行政側と、それに絡んだ規制動向などを取材したい記者側の思惑が絡んでそういう誘いにつながる。
民間企業オーナー経営者側の視点で節税情報や動向を取材しているわが社の記者にすれば、思考の立ち位置は民間側。行政側が「規制してやる」という立ち位置なのに対し「規制されてしまう」という角度でモノを見る。
その立ち位置の違いのせいで、逆に当局側から適度な規制導入に向けて知恵を貸せと言われるケースもある。なんとも微妙だ。
税金に関する仕事をしながらつくづく思うのは、スペシャルな節税とかスペシャルな脱税と呼べるような手法は決してオモテに出ないということ。
どんなに高度で複雑で専門家がうなるような手法でも、オモテに出ている時点で既に行政当局側にバレてしまっている。
オモテに出ている以上、行政当局側にはすべてが摘発事例であり、納税者側にとっては失敗事例だ。
「脱税に成功事例ナシ」。税金の世界でよく聞くフレーズだ。この言葉の意味を「成功する脱税方法なんて無いですよ、すぐ見つかっちゃうから」といったイメージで受け止める人もいるが正しくない。
成功している脱税は決してオモテに出ることはないから“事例”は存在しないという意味だ。
誰も知らない、誰も気付いていない脱税方法があっても、知っているのは当事者とその周辺だけというのが常識。
上手くコトが運んでると、ついつい自慢したくなるのが人間のサガ。そんな背景から画期的な?手法もバレちゃうことが多い。
そんな人間のサガを乗り越えて成り立っている誰も知らない脱税方法。。。世の中に結構存在していると思う。
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