2009年8月26日水曜日

4秒間の見つめ合い。

この前の週末、誰でも知っている人、それも強いオーラを持つ人と偶然遭遇した。さすがに相当に強いオーラを放っていた。

過去に仕事関係の祝賀会のような会合で間近に遭遇したことはあったが、今回は、あまりに突然だったため、ちょっとビックリ。

場所は軽井沢。駅近くの道路を運転中、道に迷ってウロウロしていたときのこと。すぐ隣の反対車線から手を振られてしまった。追っかけと呼ばれる人々に申し訳ないぐらい近い距離。

おまけにこちら側の方向には手を振る相手が私ぐらいしかいなかったようで、正面から真横、そして振り返る角度になるまで見つめ合ってしまった。しばし唖然。

もったいぶってしまった。

天皇陛下と大接近遭遇してしまったのがコトの真相だ。

軽井沢駅近くを運転中、駅舎前に日の丸の小旗を持っている人が大勢いるのが目に入った。交通規制の警官に誘導されながら路地を抜け、幹線道路へ出た途端、反対車線前方で白バイの先導する車列登場。

ゆっくりゆっくり進んでくる。沿道は大勢の人だかりで歓声が響く。沿道側の座席には皇后陛下、反対車線側、すなわち進行方向に向かって奥側に天皇陛下が座られていた。

皇后陛下は沿道の人々に手を振られる。天皇陛下はご自分の窓側、すなわち沿道と反対側に会釈される姿勢をとられていたのだが、そこにいたのが私のクルマというわけだ。

以前、新聞協会関係のパーティーにご臨席された際には、私だって仕事モードだ。両陛下が近くを歩かれる際には、キチンとお辞儀をした。ミーハー追っかけオバチャンみたいに手なんか振らない。

そんな私だが、今回は、素直に手を振ってしまった。それも結構一生懸命振ったような気がする。なんでだろう。。

そこそこ右よりな私だ。あとになって思った。
「あの場面はお辞儀だろ、オイ!」。

この日、家族でクルマに乗っていたのだが、助手席の妻も後部座席の娘も口を揃えて畏れ多いことを言う。

「パパにずっと手を振っていたわよ」。

「“お手をお振りになられた”と言い直しなさい」とまでは言わなかったが、家族2名の証言にもあるように、なぜか数秒間手を振り合ってしまった。4秒はあっただろう。わざわざ振り返られるぐらいの姿勢になるまでだ。結構長い時間だ。

後部座席から顔を出して手を振っていた娘ではなく、なぜか私だった。不思議だ。

でも、娘は悪ふざけにしか見えない原色の子供用サングラスをつけていたので、それで良かった。娘のあんなマヌケ顔を陛下に見られなくて良かった。世が世なら犯罪だ。

翌日、娘の絵日記では、黒いクルマの運転席でハンドルを握りながら片手を振る天皇陛下が描かれていた。どうして子どもの記憶って滅茶苦茶なんだろう。

ちなみに手元にあったカメラで撮影することなど思いもせずに手を振り続けてしまった私だ。記者失格だ。当然今日は画像がない。

娘みたいに絵が書ければ貴重な体験をもっと分かりやすく説明できたのだが・・・。

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