名曲のカバーブームが続いている。徳永英明の“女性ヒット曲集大成功”がきっかけだ。
思えば、「流行歌」の歴史が浅いせいなのか、日本では過去のヒット曲のカバーは今までポピュラーではなかった気がする。
80年代のアメリカでは、50~60年代のヒット曲のカバーが随分さかんだった印象がある。モータウンの名曲を路線の違うロックミュージシャンがカバーするようなパターンだ。
日本の場合、言葉の使い方が時代によって大きく違ったこともあるのだろう。とくに昭和40年代ぐらいまでの歌は言葉自体が極端に古いので、リバイバルカバーにつながらなかったのだと思う。
裕次郎の「嵐を呼ぶ男」の歌詞なんてあの時代でなければ成り立たないし、「こんにちは赤ちゃん」とか「憧れのハワイ航路」あたりもシラフで口ずさむには勇気がいる。
徳永効果で随分いろんなカバーを耳にするようになったが、単にカバーのためのカバーで終わっているのが今の姿だ。
カバーとはいえ、カバーした歌手の代表曲といわれるぐらいに大ヒットする名曲を聴いてみたい。
さて、前振りが長くなった。今日、こんなネタを書き始めたのには理由がある。笑いと涙なしでは聴けない物凄いカバーを発見したことを書きたかったわけです。
「五木ひろしが熱唱するハマショーの歌」。
結構衝撃だった。
実は私は30年来のハマショーファンです。最近のライブではオトナ買いでチケットを入手して地方会場まで旅行を兼ねて行ってしまうほど。
昔あった“カルトQ”というオタク的クイズ番組に「浜田省吾編」があったら結構いい成績を残せる自信もある。
そんなハマショーファンの私が、iPodに新しい曲を追加しようと専用の楽曲購入サイト(iTune)であれこれと検索をかけていた時に事件は起こった。
ハマショーの曲はソニー陣営なのでiPod用に購入することは出来ない。そんなことは百も承知なのだが、このサイトの検索機能がスグレモノで、オプションで「作曲者で検索」とかいう機能がある。
ハマショーファンとしては、この機能で「作曲者・浜田省吾」で見つかる曲を探したくなる。ハマショー以外が歌っているハマショーの曲を見つけられるわけだ。
検索すると結構出てくる。さすがに史上最高の音痴アイドル・能勢慶子の「アテンションプリーズ」(昭和54年)を作曲したこともある我らがソングライター・ハマショーだ。
検索結果の一覧表示を見ていたら、歌手名「五木ひろし」を発見。曲は「悲しみは雪のように」。昔のドラマ主題歌でヒットしたアレだ。
♪だ~れもが~、ウォウォウォ~♪
演歌の大御所が何を血迷ったかカバーしている。迷わず視聴もせずに1曲200円で購入。
ダウンロード後、じっくり聴いてみた。
イントロの演奏がオリジナルに近い。もっと演歌風、五木ひろし風にすればいいのに・・。五木ひろし、随分とチャレンジャーだ。
聴いている間、なんかゾクゾクした。頑張っているんだけど気持ち悪い。悪いけどそういう表現が的確だろう。
よくカラオケスナックとかで、オヤジが無理に若い歌を歌っているイタい光景を目にするが、まさにあんな感じ。
私の知り合いにも、いまだに光GENJIの「パラダイス銀河」を歌う70歳近い人がいる。いつもリアクションに困る。
さて五木さんだ。とくにサビがつらい。どう頑張っても五木節だ。五木ファンには五木節で歌うロック調の曲がたまらないのかも知れないが、ハマショーマニアの私としては逆立ちしても納得できない。
ハマショーはどんな顔して五木ひろしサイドの申し入れを承諾したのだろう。。。そして五木ひろしはどんな顔してあの曲を聞き込んだのだろう。。。
想像すればするほど不思議な世界だ。iPod愛好者はぜひ、ハマショーの五木ひろしバーションを聴いてみてください。
演歌畑の人でロックもポップスも歌える人ってなかなかいませんよねぇ。
返信削除ハマショーなら森進一のほうが合っている気がします。
コメントありがとうございます。
返信削除あまりジャンルを超えちゃったようなカバーは、結局、その歌い手さん自身の魅力を半減させるように思います。
同ジャンルの歌手が同ジャンルの曲をカバーしたほうが無難だと思いますが、それだと当たり前すぎちゃうのでしょうね。