2010年8月9日月曜日

銀座 三原小路

私の場合、銀座といえば7丁目、8丁目と一部の6丁目界隈しかウロウロしていない。それも夜ばかりだ。

デパートにも縁がないし、4丁目交差点付近の華やいだ感じも良く知らない。京橋側に出向くことは、胃と腸に内視鏡を突っ込まれに行く時ぐらいだ。

というわけで私の知っている銀座はオジサンのための銀座であって、家族でおめかししてナイフとフォークを駆使しに行くような銀座ではない。

「銀座っぽさ」。この定義は人によって様々だろう。三越であり、メゾンエルメスであり、人によってはロオジェであり、ライオン7丁目店であり、それこそキリがない。

木挽町とか三原通りとかそっち方面の何となく渋めの風情も銀座っぽさという店では特徴的かもしれない。

そんな三原橋近くの老舗に行く機会があった。その名も三原小路に構える「四季」という寿司懐石の店だ。

全室個室のしっぽり系。部屋によっては外に月見台のようなスペースまで付いていて実に風流。和装の綺麗どころがそつなく接待してくれるし、ある意味「究極のオヤジっぽさ」を堪能できる。

一般的なグルメ情報とは縁のない世界だろう。こういう店に頻繁に通う御仁がインターネットで店探しなどするはずもない。

この日の会食相手は、永田町方面の人。日刊紙の政治部記者が喜びそうなきわどい話で随分盛り上がった。やはり、雰囲気というか、シチュエーションがその席の会話内容に影響するものだと実感。

「これはこれは、一つよしなに」「ウムウム、おぬしもなかなか・・・」みたいなオヤジっぽい濃厚な空気は、こういう席にこそ似合う。フレンチとか洒落たダイニングバーではこうはいかない。

結構楽しかった。いろんなヤバい話を吸収できた。秋の政局が楽しみだ。

さてさてお店の話。料理の味はごく普通。ビールから冷酒、そして森伊蔵を痛飲。最後に出てきたにぎり寿司のネタもよく覚えていない。

ちなみにこの日、こちらの女将から昨今の銀座事情をいろいろと聞くことができた。夜のタクシー乗場制限のアホ馬鹿ぶり関連のほか、興味深かったのが歩行者天国問題。

最近、銀座では日曜だけでなく土曜も歩行者天国が実施されるようになったのだが、この影響で各ジャンルの“老舗の高級店”が存亡の危機に瀕しているそうだ。

“車でさっと乗り付ける”。こんな当たり前の行為が制限されるなら週末の銀座にお大尽様が近づくはずはない。言われてみれば当たり前だ。

暑い中、汗をふきふき歩くバックパッカーは老舗にお金を落とさない。しまいには冷房目当てでデパートに入ったっきり出てこない。そんな状況らしい。フムフムって感じだ。

週末の賑わいをヨソにそれぞれの店がそれぞれの立場でいろんな問題を抱えているようだ。

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