東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2010年10月27日水曜日
銀座のクラブ
どこの世界もそうだが、銀座のクラブも相当厳しい状況みたいだ。あの世界は、大げさではなく日本経済の鏡みたいな意味合いを持つ。景気が良ければ大繁盛、その逆もまたシビアだ。
今の時代、景気が全体的に上下するというより、業種業態によって浮き沈みが激しいのが実態だ。羽振りの良い人達もいるが、夜の世界が全体的に浮上するような規模の広がりはない。
暑からず寒からず気持ちの良い某日の夜、銀座をほっつき歩いて思ったのだが、やっぱり人が少ない。零時を過ぎたタクシー乗場にしても5分と待たずに順番がくる。
この日、某和食店で食事をしながら、おかみさんと無駄話。話題は夜の店の現状。おかみさんいわく繁盛しているのは有名な3店ぐらいだという。
8丁目の「T」、「G」、6丁目の「M」。わざわざ頭文字にする必要もなかろう。「サードフロア」、「グレ」、「麻衣子」の3店だ。もちろんそれだけではないのだろうが、この3店の頑張りはよく耳にする。
「サードフロア」以外は私も時々覗くが、確かにスカスカだったことは無い。それでもパンパンに混雑していることが以前より減っているように思う。
繁盛店の秘密って何だろう。綺麗な女性が大勢いることだろうか。まあそれも要素だろうが、それだけだったら安いガールズバーだっていいわけだし、有名店以外でもいくらでもそんな店はある。
結局、店全体のマネージメント力に尽きるのだろう。黒服さんをはじめとするスタッフの目配りや記憶力しかり、客を受入れて退店させるまでの段取りの良さ、そうしたポイントを理解している客側の空気などさまざま。
うまく表現できないが、何度か通うと、随所に「なるほど」と感じる場面がある。逆にいえば、何度通っても「オイオイ」と文句を言いたくなることがない。この部分が簡単なようで難しいポイントなんだと思う。
銀座でクラブを名乗る以上、たいていの店が強い自負を持って客をもてなしてくれる。働いている人それぞれがそれなりの矜持を胸に抱いているわけだが、店全体のマネージメントはそうそう簡単ではない。
客が店の空気を作るというか、店を育てていく部分も確かにあるだろうが、客という存在はいたって気まぐれだ。気に入らないことがあれば“ニッコリ笑って二度と来ない”のが実際だろう。
文句を言ったりアドバイスをする客はごくごく少数派だと思う。銀座のクラブに限った話ではない。サービス業はすべてそうだし、「顧客」によって成り立つ仕事なら何でもそうだろう。わが社だって、発行する新聞につまらないミスがあれば簡単に読者に見限られる。
大体、新聞も雑誌も顧客のことを「読者」と称していること自体が不遜な話ではある。お客様である以上「読者様」と呼ぶべき所が一種の呼び捨て状態になっている。
メーカーや販社が「お客様相談センター」なら新聞社は「読者係」とか「読者サービス部」だ。“様”をつけるような発想がない。この点は大いに考えないといけない。
おっと、話がそれた。
先日、食事の後に銀座の某クラブに寄り道。まだ新しい店。スタッフも頑張っている。気分の良い店だが混雑する気配無し。結局、1時間半ぐらいの間、他のお客さんは登場せず。
その後、てくてく歩いて「麻衣子」へ移動。一転して盛況。フロアは満席で、シックな雰囲気のカウンターバーエリアでしばし待つ。
20分ほどでフロアに移る。一斉に客が退いたようで珍しくがらんとしていたが、ものの15分ぐらいで再びほとんどの席が埋まる。
狭い店ではないため、黒服スタッフの数も多い。とはいえ、段取り良く動いているのか人数の多さを感じない。こうした何気ない部分、目立たない部分がうまく機能しているのが繁盛店の秘訣なのかもしれない。
そんな観察なんかせずに魅惑的な女性たちと艶やかな会話でもすれば良さそうなものだが、口を開けばしょーもないワイ談になってしまうダメな私だ。
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