2011年3月16日水曜日

明るい気

いま一番厄介なのが、国全体を覆う無力感みたいな空気だろう。仕方のないことだが、日本中を覆うマインドの低下は、物凄く恐ろしいことだと思う。

被災地以外のエリアの人々は力を振り絞って、元の日常を取り戻す努力をしたいもの。

被災地の方々に思いを寄せ、復興支援に力を合わせることは大事だが、なんでもかんでも自粛自粛というムードは大げさに言えば、国力を更に低下させかねない。

昭和天皇の崩御をめぐって、日本全体が沈痛な暗い空気に覆われた時期があった。あの当時の景気状況と現在とではまるで様相が異なる。

沈痛ムードばかりが支配的な状況が長引けば、ただでさえギリギリで踏ん張っている中小零細企業がバタバタと倒れるのは確実だろう。

被災していない人々が率先して「日常」を取り戻して、活発に活動することが結果的に復興にもプラスになる。そんな思いで上を向いていきたいものだ。.

そうは言っても、あの日以来、私自身、酒が呑めない。正確に言えば、グビグビ呑めない。余震は恐いし、仕事の行く末を考えるとただただ滅入る。だらしないことだ。

睡眠導入剤も飲めない。余震がばんばんある中で、薬でぐっすりってわけにもいかない。さすがに恐い。それでも夜中、明け方の深度3ぐらいでは目が覚めなくなった。

あの金曜日、とある銀座の綺麗どころから「今日も店は開いております」とのメールが来た。正直、気でも狂ったのかと思ったが、ある意味、日本にいま求められているのは、こういう力強さなのかもしれない。

頑張って明るい「気」を皆さんで出し合いましょう。

さてさて、被災地の復興をめぐって早くもうさん臭い動きが出ている。
自民党の谷垣総裁が菅首相に復興支援の増税策を提案したとか。もっともらしい話だが、増税ありきという空気が気持ち悪い。

「王様みたいですね」。名古屋の河村市長はこの動きを痛烈に皮肉った。

議員宿舎、議員会館を宮殿に例えて、自らが身を削らずに増税ばかり考える姿勢を嘆いて見せたわけだ。

実にウマい例えだと思う。

復興支援に莫大な資金が必要なことは言うまでもない。未曾有の大災害を思うと国が取り組む復興対策を最大限応援したいのはやまやまだが、「最後の手段」を最初から繰り出すのなら知恵のかけらもない。

「手厚い支援を」という思いは国民の総意だ。さっさとしっかり手を打てという声が支配的だから、それを目的とする「増税」を
口にしても反発は起きないというイヤらしいヨミがあるのなら実にお粗末だ。

前例のない「想定外」の災害だったのなら、増税を考える前にそれこそ奇想天外の支援策がボンボン出てきて当然だ。

復興計画において邪魔になるのは意味のない前例や固定観念に尽きる。復興の事業主体が国や自治体である以上、その弊害がもたらすムダが気になる。発想をどれだけ柔軟に出来るかがカギだろう。

「全国一律」が大原則になっているあらゆる公的、法的な制度にしても、あれだけの規模の被災地については、あえて別枠で考えた方がむしろ自然だ。

民間活力をフルに生かす意味で大胆な優遇策を山盛りにした経済特区的な発想も有効だろう。地域を限定して、すべての法制度などに大幅な優遇措置を設け、その地域を盛り上げる取組みだ。優遇策次第では、大企業誘致はもちろん、海外資本の誘致だって実現可能だ。

再生のためには機動性だけでなく柔軟に知恵を出し合うことが大切だと思う。

★★まだバタバタとしているので、ブログの更新は、しばし不規則になりそうです。

2 件のコメント:

  1. 国会議員自ら、身を削らなければ、国民は、納得できませんよね。

    なぜ、先生方は、災害支援の為に、議員報酬6ヶ月分を返上しますと言えないのでしょうか。

    杉浦泰造前衆議院議員は、議員報酬の大半を貯金していたそうですよ。

    閣僚達の糊の利いた、防災服姿をテレビで見るたびに、むなしさを感じてしまいます。

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  2. ホントに王様みたいですね。
    確かに防災服姿のわざとらしさ、そして防災服の綺麗すぎる様子は、最近の映像技術の進歩のおかげで際立っていますね。

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