2011年5月23日月曜日

チキン男

最近、なんとなく臆病風が吹いている。私のことだ。無頼を気取りたいとは思っていても「チキン化」が顕著だ。男として情けない限り。

半裸の美女に迫られているのにナヨナヨと逃げ帰ってしまうような感じだ。ダサ坊だ。性根を鍛え直さないとならない。

こんなことを思ったのは、珍味をめっきり食べていないことが原因だ。過去のこのブログを読み返しても、しょっちゅうしょっちゅう魚卵やキモ類を摂取していたのに、最近はご無沙汰気味だ。

どうも身の回りで痛風発作だとか結石騒動を起こす人が増えた。聞けば聞くほど地獄の苦しみらしい。

ある人が言っていた。「尿道に管を入れられた時より痛かった」。そんな話を聞くだけで弱虫な私は卒倒しそうになる。

尿道に管だ。それだけでも絶対気絶するのに、それよりも痛かったら私は即死する。たぶん。

その手の痛い症状の原因は多分に食生活にあるらしい。魚卵系珍味、キモ系珍味は大敵という位置付けだ。

そんな知識は百も承知だ。私も承知の上で散々食べてきた・それでも重ね重ね具体的な激痛体験談を耳にすると、さすがに脅えてしまう。

いかんいかん。おでん屋のタマゴさえ避けている自分が情けない。

自宅近所に極上の鶏レバ刺しを出す店がある。白レバの刺身なんかを山盛り出してくれる。ニンニクとショウガとワサビを全部醤油に混ぜてトロリとしたエロスを味わうのが楽しみなのだが、その店ですら訪ねる頻度が減った。

レバ刺しを目的に通っているので、臆病風が吹くとついつい足も遠のく。

先日、久しぶりに行ったら、大震災の影響で店を閉じる寸前だったという。東北にあった鶏の仕入れ先が被災したため肝心の鶏がストップしたらしい。

聞くところによると、三陸方面にあったその養鶏業者さんは東京への出荷のため、クルマで移動中に津波で行方不明になったそうだ。

お店では急きょ、九州の別の業者さんから上質な鶏を入手するようになり、「禁断のレバ刺し」も改めて常備された。後味の繊細さが微妙に前とは異なる感じだが、充分エロティックな味。店のオヤジを慰めるためにもバクバク食べた。

「珍味喰い」の本領発揮といったところだが、問題はその後数日間、珍味を敬遠してしまう自分のチキンぶりだ。「連日の珍味喰い」こそが珍味の王道なのにまるでダメだ。


別な日、高田馬場の鮨源でシマエビのタマゴの塩辛風を食べた。最高だ。グイグイと冷酒を飲んだ。やっぱりこうでなくっちゃいけない。軽く炙ったシマエビの身と合わせて「親子珍味」だ。ウヒョウヒョだ。

季節が変わって、カラスミや白子、アンキモ達ともしばしのお別れだ。これからは貝類の肝あたりを攻めねばなるまい。

心を入れ替えてスーパー珍味太郎の道を歩いていこうと決意した。

4 件のコメント:

  1. 面白い!

    上司という関係ではなく出会いたかったです。

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  2. はるひこさん

    コメント有り難うございます。
    「はるひこ」さん。。。うーんピンとこない。
    漢字ではどういう表記ですか。。
    ご無沙汰してる人でしたっけ?

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  3. わたし、魚卵死ぬほどスキです!
    北海縞エビの魚卵と、カニの外子がスキなのです。
    今、35歳なので、年齢のことも考え最近は控えめにしておりますが、この記事の写真がめちゃんこおいしそうで、じわっときてしまいました(笑)

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  4. ゆっぴさんへ

    コメント有難うございます。カニの外子、いいですねえ。内子と外子があれば、身なんて要りませんよね。

    女性の場合、痛風発作は少ないそうです。
    ガンガンいっちゃってください。

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