2011年7月6日水曜日

カニとかエビとか

何年か前にカニをやたらと食べ続けたことがある。もともと大好きなのだが、ダイエットのためにカニ様に依存した。

実際のところは知らないが、カニの身はほとんど水分だから、カロリー的にはすこぶる優等生のはずだ。


ダイエットといえば、馬とかウサギみたいにマズい野菜を食べて耐えるイメージがあるが、それでは心も寂しくなる。だから、ダイエットなのに贅沢気分が味わえるカニばかり食べていたわけだ。

今でもカニはしょっちゅう食べたいランキング上位なのだが、甲殻類アレルギーの恐い話を聞いて以来、闇雲に食べないように意識するようになった。

サンフランシスコ駐在になったカニ好きな人が、フィッシャーマンズワーフで連日カニを頬ばり続けていたら、重度のアレルギー症状が出て、二度とカニを堪能できなくなったという話だ。

花粉症と同じようで、甲殻類アレルギーもその人の許容量を超えるとコップから水があふれるように発症するそうだ。

そんな話を聞いて、なるべくカニを控えるようになってしまった。チキン男みたいで情けない。

でも随分と「カニ節制」に励んでいるわけだから、この夏あたりは北海道に行って噴火湾産の毛ガニを吐くほど食べようかと思っている。

エビも好きだ。エビの場合はナマでじゅるじゅる食べるのが一番うまいと思う。毛ガニもズワイもタラバもナマで食べたことはあるが、カニ様はやはり火が入ったほうがウマ味が増幅する。

一方のエビ、それも伊勢エビのような大型ではない種類であれば、やはりナマのほうがウマいと思う。


この写真は、いつもお世話になっている高田馬場の鮨源で撮影。左からオニエビ、大ぶりの甘エビ、ブドウエビ、ボタンエビだ。これ以外にもシマエビもナマでよく見かける。東京のお寿司屋さんの中でも貴重な品揃えだと思う。

東京の寿司ネタの王道である茹でエビに使われる車エビもここでは、生きているエビ様が常駐。頼めば、目の前で活け茹でにしてくれる。

AKB48をもじって「エービー48」。バカな私がいつも注文する言い回しだ。生きた車エビを48秒茹でてくれという意味だ。茹で時間1分未満だと、少しレアな感じが残り官能的な甘味が引き立つ。まだホクホク状態でパクッと食らいつくと、あまりのウマさに素直にエビ様の成仏を祈りたくなる。

エービー48以外には、やはりナマだ。ナマはどうしたって気持ちがいい。いや、美味しい。


このオニエビ、いろいろなエビを食べてきたつもりだった私にとっても初体験。確かにオニみたいな面構えだ。コイツが生きたまま突進してきたら恐い。

で、刺身で食べてみた。見た目通り、ボタンエビのようなアマーい味わいだが、他のエビよりもどことなく優しい味。インパクトが強すぎないというか、甲殻類特有の軽いエグ味のような要素は感じられない。見た目と違って上品な甘味。

やはり、鎧兜みたいな殻で身を守っているヤツは、自分が美味であることを自覚しているのだろう。

カニ様、エビ様に共通している話だが、あんなに屈強な衣をまとっているのは「オレって喰われたらウマいからさあ、身を守っているわけさ」という意味だろう。絶対そうだ。

カニなんか強力なハサミまで持っていやがる。「オレってウマいんだぞ」とわざわざアピールしているようなものだ。

というわけで、エビ様、カニ様を好む私なのだが、本業の?水中写真家としては随分、エビカニ系のイヤな話も聞いてきた。雑食性というか、海の掃除屋としての側面だ。

海難事故で水死体の捜索にあたるダイバーの間でもよく知られた話ではあるが、あまり具体的な話は割愛しよう。

話を戻す。考えてみれば、見た目がグロテスクだったり滑稽なヤツほどウマいことが多い。

ヒラメとかオコゼとかアンコウとかフグなんかもそうだ。美しい熱帯魚はだいたい喰えたものではない。容姿非端麗のほうが美味しいという理屈はかなり信ぴょう性がありそうだ。

もっとも、そんな理屈だとカメとかワニとかアルマジロまでウマいという事態になってしまう。やっぱり偶然だろうか。ワニは一度食べたが鶏肉みたいで悪くはなかった。

よく分からない話になってきてしまった。

なんだかんだ言って、いくら「ウマいよ~」と言われても、あんまりグロテスクなのはどうかと思う。とくに人間の女性だったらなおさらだ。

やはり食べさせていただくのなら美しいほうがいい。

結局そういうオチになる私だ。

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