いまハヤリの風邪は結構長引くみたいで、私のまわりでも長期戦に苦しむ人は多い。
私自身、1週間以上、スッキリしない日が続いた。扁桃腺の爆発以外でこんなに長く体調不良が続いた経験はない。ついには鼻づまりの後遺症で嗅覚がまったく無くなった。
これはキツい。ウナギの香りを感知できない。女性の首筋あたりをクンクンしても何も香りを感じない。味覚もほぼ無くなる。大変な問題である。
そんな事態に陥ると、日頃の「節制」ははたして意味があるのだろうかと複雑な気分になる。
朝晩のうがいは欠かさない。インフルエンザの予防接種だって受けた。毎日飽きずに青汁を500ml飲んでいる。毎月1万円もするプロポリスとか黒酢の錠剤とかアレコレ飲む。会社の人間にもらった男のサイズ増大サプリっていうのも試してみた(これは関係ないか。。効果もなかった。。)。
考えてみれば、こうした日頃の正しい行いのおかげで、この程度の症状で済んでいるのかも知れない。そう思い直すことにする。
こういう甘えた考えがサプリ業界とかを潤わすのだろうか。
占いとか、おまじない、縁起担ぎと同じだ。あの時、お参りしたから、この程度で済んだ、あの占いの通りにしたから、最悪の事態は避けられた等々、ついつい、最低最悪にならなかった理由を強引にそっちに結びつける。
健康食品とかサプリの類なんてそんなものなんだろうか。なんか切ない。
ところで、正真正銘、健康に良い食べ物って何だろう。
野菜を食え食え言われても、生野菜なんてちっとも効果は無いらしいし、怪しげな中国産野菜を生で食べようものなら、どんな農薬を窃取しちゃうか分かったものではない。
おくら、ごぼう、ピーマン等々。唐突だが、そんなラインナップは尋常な神経では耐えられないほどマズいし、心からウマいなあ~と思うものは、ほぼ100%身体に悪い。
困ったものだ。ネバネバ系が良いと聞くが、私は東京人のくせに納豆が大嫌い。ネバネバでまともにウマいと感じるのは、とろろぐらいだ。
海草が良いといっても、そうそう大量に食べられるわけでなし、考えれば考えるほど迷宮に迷い込む感じだ。
極端に言えば、一般的に身体に悪いと言われているものを避ければいいのだろう。当たり前の話だが、これが結構難しい。
最近食べたもので、「非不健康系」を考えてみた。携帯に取り込んだ食べ物画像を見返してみても、キモとか魚卵ばっかりだ。
そんななか、燦然と輝いて見えたのがクエ鍋だ。肉より魚のほうが身体に良いらしい。おまけに鍋だから、漠然と野菜もワシワシ食べた。
場所は丸の内の「祢保希(ねぼけ)」。都内各地にある土佐料理の店だ。
クエの特徴は結構な時間鍋の中で火にかけても煮崩れしない点だ。肉っぽい魚みたいな感じ。滋味溢れ、どことなく猛々しくも正しい生き物を戴いている感覚になる。
この店、カツオのタタキが名物なのだが、この時期はカツオの代わりにメジマグロを使ってタタキを提供する。西日本では「よこわ」と呼ばれているようで、これがまたウマかった。時季外れの変なカツオを無理してタタキにするより断然ウマい。
土佐のタタキだから生のニンニクスライスもついてくる。カツオ以外にニンニクとマッチする魚は無いと思っていた私にとっては嬉しい驚き。
普通のポン酢で味わうタタキはもちろん、塩タタキも注文した。いくらでも食べられそうな感じ。
かなり値のはるクエに見向きもせずに「よこわのタタキ」ばかりムシャムシャと食べてしまった。ちょっと失敗か。割り勘だったら、間違いなく完敗だ。クエばかり食べた人のほうが経済的合理性にかなっている。
まあ、肉より魚、油を使うより煮るほうがいいなど、一般的な「身体に良い」条件を満たした食事だったから、素晴らしい時間だったのだろう。
酒という余計な液体をたくさん摂取してしったら意味はないのかもしれないが・・。
何を食べたら身体に良いのかというテーマは、そう考えると結局意味のないことかもしれない。
アルコールを適量でやめるわけはないし、酒抜きで精進料理を食べることなど罰ゲーム以外ではあり得ないし、結論としては、楽しく食べるか否かですべてが決まるのだろう。
今日は何を書きたかったんだろう。
とにもかくにも楽しく食べる時間、楽しく食べる相手、それだけを人生の最重要事項として吟味していきたい。
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