相も変わらず乱読の日々だ。ジャンルや内容など無関係に、眠る前のひとときは活字を追いたくなる。
頭脳明晰な人間ではないため、必要以上に頭を使うことが多い。だから寝る前に活字の世界に逃げ込むことで一種の鎮静作用を求めているのだろう。
などと偉そうに書いてみたが、割と変な本を読むことが多い。最近は「事実婚」をめぐる新書とか、徴税権力みたいなルポを読んだ一方で、エロ系の妖しげな本も楽しく読んだ。タイトルは忘れたが、著名人の初体験話ばかり集めた下世話なルポ。
著名人といっても、村西とおるとか、電撃ネットワークの人とか、ちょっとビミョーな顔ぶれだったが、酔っぱらいながら読むには最適?だった。
ついでに言えば、自分自身の「その時」がヤケに思い出されて微笑ましい?気分に浸ったりした。
バカでスイマセン。
昔から一人旅が好きで、海外旅行なら10冊ぐらい本を持っていく。でも、旅先ではせっかちに動き回り、持参した本は半分ほどしか読めない。
タヒチあたりの水上コテージの日陰に陣取り、日がな読書だけで過ごしたいと憧れてはいるが、一向に実現しない。そろそろガツガツ動き回る旅からは卒業したいものだ。
最近読んだ本を並べてみた。上の2冊は女性作家の小説。精神構造や感受性の点で、男と女は別な生き物だと思っている私は、あまり女性作家物は読まないのだが、気が向いたので読んでみた。
結論としては、今後も女性作家モノとは縁遠いような気がした。そりゃあプロの作家だから表現力とか文章力は凄いと思う。素人の私がアレコレ言う次元ではないが、どうも世界観がピンとこない。
私自身に文学的素養がないから、そんなネガティブな感想を書いているのかもしれない。お好きな方スイマセン。
やはり男性の感性によって編み出される女々しい?男的心理に彩られた切ない作品が好きみたいだ。
下の2点は、読んで字のごとくのルポ、伝記的な本。「不良老人」というタイトルにそそられたし、「アウトロー」という響きも男の子?にとっては魅力的だ。
筋を通して生きた男たちのストーリーだ。まあ、要するにワガママで好き勝手に生きた人達のエピソードが綴られていた。それなりに楽しめた。年を取ったら、今のような優等生路線ではなく、不良になってみようと決意した。
寝る前の鎮静剤として、活字なら何でも読むのが基本だが、時におセンチな気分に浸りたくなって短編小説を読む。2本も読めば眠くなるし、小説という虚構の世界に感情移入することで束の間、異空間に行ったような気分になる。
書斎に積んである本の大半が一度サラッと読んだだけだから、5年、10年も経てば、内容もスッカラカンに忘れている。面白かった本しか残していないから、改めて読み直すにはもってこいだ。
で、伊集院静の「乳房」を10年ぶりぐらいに読み返してみた。いやはや面白かった。闘病時の夏目雅子さんを思い起こさせる表題作はもちろん、乳飲み子の頃に別れた娘が高校生になって初めて父親に会いに来る話も実に切なくて泣ける。
男の切なさ、不器用さ、哀愁、やせ我慢みたいな空気がひしひしと伝わる感じ。遠い空を黙って眺めたくなるような読後感とでも言おうか。
最近は、週刊誌上やエッセイなどで小うるさいオヤジとして世間をぶった斬っている伊集院さんだが、こういう哀愁漂う短編をどんどん生み出していって欲しい。
次は、その「熱さ」が独特だった真樹日佐夫の回顧録。今年初めに急逝したこともあって結構売れたらしい。
梶原一騎の弟であり、作家、格闘家だけでなく、映像の世界でも特異なポジションを占めた筆者の一代記。全編を貫く昭和ノスタルジーが興味深かった。なれるものならあんな風に無頼なオッサンになってみたいものだ。
続いて、「火宅の人」・檀一雄の未亡人を取材した沢木耕太郎のルポ。10年以上前の本だが、最近になって「火宅の人」を読んだばかりの私としてはスピンオフ?のような感覚で楽しめた。
「圧倒的な男の身勝手」を実践した火宅の夫が妻の目にはどう映っていたのかが掘り下げられている。ある意味、昭和の男像を学ぶえで興味深い内容だった。
読書が趣味ですなどと胸を張るようなレベルではないが、本を読むことで気付くこと、感じることは多い。単調な日々にちょっとしたスパイスが加わる感じだ。
何より最近は、Amazonさまさまで、発売年月に関係なく、興味深いジャンルの本が瞬時に探せる。在庫さえあれば、朝注文したら当日中に配達されるし、便利この上ない。
気になっている言葉で検索をかければ、それに関連しそうな作品が一斉に表示される。本屋で長い時間をかけて読みたい本を探すのも楽しいが、ネット社会の利便性は捨てがたい。
行き当たりばったりのユルい感じで目についた本を読むことは気分転換のための最高の手段だと思う。ハッとしたり、深くうなづけたり、ウルウルできたりすれば儲けもの。
自己啓発系とか、教訓押しつけ系は苦手なので、今後もヌルくてユルい感じの本を探して読んでみようと思う。
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