2012年3月30日金曜日

魔性の女


最近のお騒がせ女といえば、何かと話題の木嶋佳苗被告。法廷でも「女性としての機能が優れている」と語ったり、援助交際人生を淡々とひけらかすなどワイドショー的には目が離せない存在になっている。

週刊誌でも「魔性の女」と表現されているが、要はただの悪人だろう。わざわざ「魔性」などと神秘性を高める必要もないと思う。

そもそも男から見れば、女性は誰でも「魔性の女」だ。最近つくづくそう思う。

「魔性の男」という表現がないことが、男のダメなところであり、だらしなさだ。押尾学とか、松方弘樹とか、古いところでは火野正平でも魔性の男とは呼ばれない。ただのスケベという勲章?しか与えられない。

そう考えたら「魔性の男」と呼ばれるような男になれたら大したものだ。今後、そういう路線を目指してみようか。

話がそれた。

男から見れば女性は誰もが魔性の女だというのは間違いのない事実だろう。

「魔性」の意味は、「悪魔のような人を惑わす性質」だそうだ。なかなか恐ろしい。

だいたい、同じ人間なのに男より平均寿命が7年も長いというだけで、悪魔みたいだ。

私の周りでも、友人達の母親達はあきれるほど元気だ。旦那である我々の父親の多くはとっとと他界している。晴れてフリーになったお母様方は、この世の春とばかりにバリバリだ。

それはともかく、女性といえば、男を手玉に取る能力を幼い頃から身に付けている。生理的な特徴なんだろう。

なんでもかんでもガッつく男とは違って、実に冷静沈着に相手を見極め、手なずけようと行動する。

男はエバった顔をしていても、しょせんは女性の術中にハマってオシマイだ。

カマキリは交尾の最中にメスがオスを頭から食べてしまうそうだが、カマキリのオスを笑えないような男は多い。

心理学的見地から見て、男女の大きな違いはウソのつきかたにあるという話を聞いたことがある。

ウソをつく時、男はオドオドして目が泳ぐのに対して、女性は相手の目をまっすぐに見つめながらウソをつくらしい。

「魔性」だ。

私などは、自分がウソをつく時に目が泳いじゃうことを自覚していたから、逆に女性を問い詰める時には相手の目をチェックするように心掛けていた。

ところがどなた様も、私の目をジッと見つめて「信じて」とかささやく。目が泳いでないから真実だろうと単純に思い込んでウン十年。私はいったいどれほどのウソを浴びてきたのだろう。

ちょっと気を引こうとする時は、軽くボディタッチしてきたり、すねたフリしやがったり、平気で思わせぶりな言葉を発する。

「本気で好きになっちゃいそうです~」。

こんなことを言われたら男どもは舞い上がる。多くの同士達が今日も日本全国津々浦々で勘違いして痛い目に遭っている。

「本気で好きになっちゃいそうです」という言葉を直訳すれば、少なくとも「本気ではない」「好きではない」ということである。好きな相手には間違っても言わない。

誤解するのは男の勝手であって、女性としては、後々、言質を取られることもない。生理的に受付けない相手、大嫌いな相手にだって言える言葉だ。

「気になってます」「お食事したいです」「夢に出てきました」等々。そんな言葉を投げかけられると、カマキリ男は自分に好意を寄せているんだと錯覚する。

だいたい、優柔不断な男を「思慮深いですね」とか、下品な男を「豪快な人ですね」とか言って持ち上げたりするんだから、お手上げである。

そもそも男という生き物は本能的に頼られることに喜びを感じる。力になれたことに快感を覚える特徴がある。ここを突いてくるのが女性だ。

弱いフリして涙なんか流しちゃって、上目遣いに窮状をうったえる。見え透いたウソだろうとカマキリ男たちはホダされる。実に哀しい。

昔から、「田舎の父が病気で」とか「弟の治療費がかさんで」とか、その手の話は金満男たちにぶつけられる女性のウソの定番だ。

実際には、「父親みたいに年の離れたパパさんが小遣いをくれない」とか「弟みたいな年下ホスト風の彼氏がぶつけちゃったクルマの修理代」だったりする。

「小さくてもいいからお花屋さんを開きたくて頑張ってるんです」。風俗店で働き始めたきっかけを語る女性、聞かされた方は応援したくなって必死に店に通ったりする。

実に麗しい話だ。似たような話をしょっちゅう聞く。

もちろん、そんな話はウソ八百だ。ホスト通いで借金をしこたま抱えたことが本当の理由だと男たちが知ることは絶対にない。

嗚呼、なんともツラい世の中のシキタリである。

今日は面白おかしく書いていこうと思っていたのだが、だんだん切なくなってきた。

だいたい、こんなことを書いていること自体、「オイラなんか、バカ女のウソになんか引っかからないんだぜ」と言っているようなものだ。

その立ち位置自体が愚かである。ウソにすら気付かない能天気ちゃんみたいでマズい。「あいつ、ホント始末に負えないアホだなあ」と私を笑っている女性がそこかしこにいるかもしれない。

結論から言えば、女性に惑わされない男など皆無だろう。男である以上、惑わされてナンボだ。

ということで、これからもウソシャワーをいっぱい浴びていこうと思う。

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