記者などと称している以上、たまには真面目なネタも取り上げねばなるまい。
ということで、今日は大真面目な話を書く。
意外に知られていないことだが、是非知っておきたい話だと思うのでグダグダと書いてみる。
「敵国条項」という言葉をご存じだろうか。どことなく物々しい言い回しだ。戦争を思い起こさせる言葉だが、天下の国連で今もまかり通っている規定だ。
中東の危ない国や人工衛星といいながら弾道ミサイルをぶっ放そうとしている国を指しているわけではない。
「敵国」とみなされているのは日本やドイツなど第二次大戦時の敗戦国のこと。いま現在も国連憲章にキッチリ残っているいまいましくも残念な規定だ。
内容を大雑把に言うと、通常、安保理の許可が必要な軍事行動を「敵国」に対しては例外扱いするというもの。すなわち、「敵国」が危ない動きをした場合には、国連加盟国は、安保理決議に無関係に勝手にブッとばしても構いませんという規定。
こんなものが恣意的に運用されたら危ないったらありゃしない。
国連自体が第二次大戦後、戦勝国を母体として作られた組織だけに、当初こそ色眼鏡視されても仕方がなかったのだろう。とはいえ、終戦から70年近く経ったいまでも差別が残っている事実には大いなる違和感がある。
さすがに時代遅れとの認識が広まり、15年以上前の国連総会で敵国条項の削除が採択された(賛成155、棄権3(北朝鮮、キューバ、リビア))。
ところが、採択の後、正式な削除に必要な加盟国の批准が進んでいないため、今だにアホみたいな規定が存続している形だ。
こういう情けない現実がもっと日本国内で問題されるべきだが、事実を知る人すら少ないのが現実だろう。
国連分担金の負担率で、わが国は長い間ずーっと世界第2位。1位は米国だが、あちらさんは国策として平然と分担金を滞納する常連だ。
日本の負担金は、英仏の合計金額並みであり、中国に比べればほぼ4倍の規模。まさに国連にとって大スポンサーだ。
暴論かもしれないが、敵国条項の正式削除が進まないのなら、分担金の支出をやめちまうよっていうぐらいの強い姿勢を見せて欲しいものである。
財政状況が悪化を続ける一方で、歳出削減の議論は枝葉末節に終始している。国連分担金の話などカケラも出てこない。
ピントがずれたこの国を象徴するのが、国連に対する「能天気なお人よし政策」だと思う。
参考までに、世界各国の国連分担金のデータを添付してみる。わが国の「ご立派」ぶりがよく分かる資料だ。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jp_un/yosan.html
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