2012年6月27日水曜日

パダンバイ マクロ撮影

今回のバリ旅行では、本来の目的である水中撮影もそこそこ楽しんだ。あれこれ忙しく予定を立てていたので、いつも基地にしているトランベン方面には足を運ばず、チャンディダサ近郊のパダンバイだけを潜ることにした。

パダンバイはバリで最初に開発されたダイビングポイントで、空港近くの南部リゾートエリアからは1時間半もあれば到着する。大人気のトランベン、アメッド方面が2時間半から3時間の移動を必要とするのに対して気軽に楽しめる場所だ。

今回、旅の前半は、パダンバイに15分ぐらいで行けるアリラマンギスリゾートに滞在したので、至極楽ちんだった。

このパダンバイの弱点?は潮回りの関係で水温が低くなることが多い点だ。だからこそ、メインエリアであるトランベン方面とは生物層が異なって面白いとも言えるのだが、軟弱ダイバーになり果てた私にとっては水温は大きな問題。

結局、持参したウェットスーツは宿に放置して厚手のウェットスーツをレンタルした。これが大正解。かろうじて水温は24度程度あったが、普段28度以上の水温でホゲホゲ潜っている私にとっては、かなりキツかったのも確かだ。おなじ日のトランベンエリアは水温29度だったそうだ。


画像はクリックすると大きくなります。

まずはサメから。サメといっても、こいつはノンビリおとなしく穴の中で寝てばかりいるサメで、ちっとも迫力はない。

穴ぐらに頭を突っ込んで、ストロボアームを延ばして、ヤツを突っついて向きを変えさせたり、サメっぽい姿勢にさせたりして撮影した。

若い頃は、パラオあたりに出かけて、流れが強いなか大型のサメを見て喜んでいたが、最近は、穏やかなポイントで小物撮影ばかりに専念するようになった。

そういう意味では、ネボケザメでもサメはサメだ。ちょっと嬉しくなって、チャーターしたガイドさんを10分ぐらい待たせて、ひたすらヤツの潜んでいる穴蔵に上半身突っ込んで苦労して撮影した。





お次はウツボの三態だ。さきほどのサメよりある意味恐いのかもしれない。サメならイジメたら逃げていくが、ウツボの場合、知らずにうっかり住みかに手でも置いてしまえば鋭い歯でガブッとやられてしまう。

もともと性格は温厚で、ちょっかい出さなければ、こちらを攻撃してくることはない。欧米人ダイバーにはウツボはアイドルで、カリブ海あたりでは餌付けされまくってアホほど巨大に太っちゃったウツボがゴロゴロいる。人に撫でられてウットリしているウツボも珍しくないほどだ。

でも、こうやってアップで撮影してみると1枚目のウツボのようにさすがに歯並びが恐い。ちょっかいは出さないほうがいいのかもしれないが、超接近しての撮影にもイヤな顔をせずに付き合ってくれた。

青と黄色の美しいコントラストは、ハナヒゲウツボ。南国特有のウツボだ。いつ見ても美しい。コイツは他のウツボと違って、いつも上半身を巣穴から出してニョロニョロひょろひょろ揺れている。酔っぱらいがふらついているような動きで写真は撮りにくい。それでも見つけるたびに美しさに魅せられて撮影したくなる。



お次はイカ。沖縄あたりではコブシメと呼ばれているコウイカだ。擬態が凄い。瞬時に背景の色に体色を合わせる。ついでに岩とか植物のように見せるためか、色柄だけでなく身体の表面もでこぼこと立体化させたりする。忍者みたいだ。

ご苦労なことだと思う。その昔、沖縄でナイトダイビングをしている際に、漁師を兼ねていた現地ガイドと一緒にスミを吐きまくられながらコブシメの大捕物を経験したことがある。

喜々として食べたのだが、大味だった印象がある。わざわざ食わなくてもいいって感じの味だった。



毛むくじゃらの気色悪い物体は、カニのように見えて一応コシオリエビという種類の一種である「ピンクスクワットロブスター」。

フィリピンやインドネシアで主に見られる生き物で、日本でもいる所にはいるらしい。

聞くところによるとバリ人のカリスマ水中ガイドダイバーが20年ぐらい前に見つけた生き物だとか。学名には、その人の名前が付いているらしい。

いるところにはウジャウジャいるもので、今回、現地のガイドさんが教えてくれた場所には、複数の個体が狭い場所に生息していた。

何匹も集まってちょこちょこ動いている姿は、どことなく虫を連想して個人的には気持ち悪いなあと思いながら撮影した。

今回のパダンバイの海は、透明度が良くなかったので、ワイドレンズの撮影はほとんどしなかった。オリンパスのマイクロ一眼「E-PL3」を専用水中ケースに入れて、レンズは「パナソニックライカ」のマクロを付けて小物ばかり狙った。




上の2枚はカエルウオとクマノミの赤ん坊だ。カエルウオの顔の大きさは親指の爪ぐらい。とぼけた表情が実に可愛い。まあ、本人はとぼけている気などまったくないのだろうが。クマノミのほうは全長2センチちょっとのチビちゃんである。

彼らにしてみれば自分の何百倍ものサイズの生き物が、目つぶしかと思うほどのストロボをピカピカ発光させながら衝突するぐらいの距離まで近寄ってくるのだから、死ぬほど恐い体験だろう。いつもスマンなあと思いながらシャッターをきっている。

3枚目の透明なエビは、イソギンチャクの中で暮らす小エビだ。これも3センチあるかないかのサイズ。肉眼では分からなかったが、画像を確認したら卵を抱えている。たくましく生きていることに少し感動する。







今回は潜水回数も少なめで、透明度も悪かったこともあって、自分で納得できるような傑作?は撮れなかった。

やはり、透明度も高く、生物層が濃く、大型魚の群れに近づけるような野性味たっぷりでダイナミックな海に潜りに行きたくなってきた。

最近はリゾートでホゲホゲすることを優先してしまい、アドベンチャー魂?が無くなってきている自分を反省しないといけない。

チャレンジスピリットを取り戻して、コスタリカとかラジャアンパットあたりの秘境に行って、クルーズ船で寝泊まりしながら潜水三昧するような旅もしたくなってきた。

身体が元気に動くうちに行くべきだとは分かっているのだが、なかなか重い腰を上げることが出来ない。

まずはダイエットが必要なのかもしれない。

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