2013年4月5日金曜日

能天気な話


実は今日の分で、このブログも1000回目の更新となった。我ながらびっくりである。王選手だって1000本もホームランを打っていないのだから凄いことである。罰当たりな例えでスイマセン。

皆様、今後もよろしくお願いします。

好き勝手なことを1000回も書き続けた記念に今日も能天気な話を書こうと思う。

今年は旅に出たい欲求がいつにも増して強い。数年ぶりの潜水熱の高まりも理由だ。

先日行ってきたフィリピンに続き、ゴールデンウィークはインドネシアのスラウェシ島で「毛むくじゃらヘンテコ魚」の撮影に励んでくる予定だ。

夏頃にはハワイにも行こうかと思案中だし、金も無いのに遊ぶことばかり考えている。贅沢な話だが、そんな呑気な状態なのに何だかしっくりこない。

もっと刺激的な場所というか冒険心を満たすような場所に行きたい。潜水旅行に限定せず、画期的な場所に身を置いてドキドキしてみたい。そんな感じだ。

小学生の頃に図鑑で見て以来ずっと憧れていたグランドキャニオン。ハタチの頃、初めて現地に行った時、とことん感動して興奮した。あのビビビっとくる感覚を味わいたい。

最近、身辺に大きな変化があったので、人生の節目を実感するのにふさわしい「イベント」を企画しないと気が済まない。

そんな一方的な発想の中、大型書店で「秘境の旅」とか「世界遺産の旅」とか、そんなものをしこたま買い込んでみた。

知らぬ間にANAのマイルが物凄く貯まっている。スターアライアンスの他社便も含めれば選択肢は無限大である。遠距離だろうと僻地だろうとへっちゃらだ。

さんざん考えて候補地として絞ってみたのが、アフリカとキューバだ。

アフリカの掌に包まれると人生観が変わるらしいし、キューバはハバナ産の葉巻工場を見学するだけでもスペシャルな思い出になりそうだ。

調べてみたら、アフリカは香港からダイレクトに入れるし、キューバだってカナダやメキシコに入っちゃえば意外に気軽に行ける。

アフリカで野生動物の咆哮をバックに星空を眺める。う~ん、実にロマンチックで哲学的な気分に浸れそうだ。

キューバの酒場でダイキリとかモヒートを片手にカリブ海の波音を聴く。う~ん、これまた実に開放的で文学的な気分に浸れそうだ。

両方とも行ったことがない点も魅力的である。これまで、ちょこっと足を踏み入れた場所を含めれば30以上の国や地域を訪れたが、アフリカ自体が未体験である。

正確に言えばエジプトには行ったが、あそこはアフリカイメージではない。ラクダばっかり。おまけに大半を水中散歩に費やしてしまったから「アフリカの大地にいる自分」という状況は未体験だ。

とかなんとかウダウダ書いているが、アフリカかキューバに行こうと一人勝手に盛り上がっていたのもわずか数日だった。

ガイドブックを読みあさっていたら、どうもどちらの行先にも特別なウキウキを感じない自分に気がついた。

いつかは行きたいが、もっと別な場所が自分を呼んでいる気がして、再度座禅を組み、滝に打たれながら熟慮を重ねてみた。

そして浮上したのがタヒチである。正直に言えば、だいぶ前に録画しておいたBS番組のタヒチ特集を見て、一気に気持ちが傾いただけだ。

タヒチである。南太平洋の楽園だ。昔から生きたかった場所だ。今まで何度も計画したのに縁が無かった場所である。

初めての新婚旅行の時、タヒチが最有力候補地だったが、カリブ周遊の旅を選んだので断念。二度目の新婚旅行の時は、相手がイタリア行きを主張、私が南米に近いカリブのリゾート行きを主張して対立。結果的に地球一周ルートを使って両方行ってしまうという荒技を考案したりしたのでタヒチを選ぶ余裕がなかった。

別に新婚旅行で行くための場所ではないのだが、やはりまとまった休みが必要だし、腹をくくらないと行けない感じがある。それ以外にも、マイルを貯めて行きにくい場所であったり、私のフランス語嫌いもあって、いつも憧れのまま終わっていた。

ボラボラやモーレアの雄々しい山々を背景に美しいラグーンが広がる光景は、幾多の南国リゾートを旅してきた私にとって是非とも身を置きたい場所である。

南国楽園旅の集大成みたいな場所だ。いや、まだガラパゴスとかコモド島とかも行ってみたいのだが…。

水中写真撮影を本業?とする私だが、なぜかタヒチでは、水中ではなく、浅瀬のラグーンの水のきらめきや神秘的な山に落ちる夕焼けとか、どちらかといえば水中以外の景観を写真に収めたいと思っている。

本当に行くことになったら、慌ててスケッチ教室にでも通って、あの景色をパステル画で描いてみたいと思うほどタヒチには妙に強い思い入れがある。

もう20年近く前に亡くなった私の祖父も晩年、「ボラボラ島には一度行ってみたかった」と語っていた。そんな先祖の思い?を実現するためにも私はタヒチに行かねばならない。

こうやってどんどん大義名分という名の言い訳を積み上げていくのが私の悪いクセである。

世界中から観光客が訪れるタヒチだが、地図を見ればわかるように、実は日本から行きやすい場所に位置している。「南国リゾート」を30年ぐらい研究?してきた私としては、どう考えても行かねばなるまい。使命みたいなもんだ。

こんな風に思い始めたらもうダメだ。間違いなく今年中に実行することになりそうだ。秋頃がベストシーズンらしい。今年の誕生日はタヒチで酔っぱらっている予感がする。

成田からの直行便の他、ホノルルからも定期便がある。ホノルルまでマイレージの無料航空券で飛んで、そこから「聖地」を目指すとしよう。

カメラやレンズも揃え直そうか。映画「南太平洋」も見てみよう。ゴーギャンのことも勉強するとしよう。物価が高いようだから、カップ麺もたくさん用意しないとなるまい。

今月末に出かけるインドネシア旅行の宿も半分しか決めていないのに、心はすでにタヒチに奪われてしまった。

でも、まだずいぶん先の話である。やっぱりクック諸島に行こうとか、タンザニアのザンジバル島がいいとか、キリのない逡巡を繰り返すのだろう。ちなみに、ザンジバルはロマンチックすぎて「男一人では行ってはいけない場所」と言われているそうだ。誰か連れて行くしかない。そんなところに付き合う人はなかなかいないだろうから困ったものだ。結局はいつものバリ島でお茶を濁すことになったりするような気もする。

実に能天気で平和な日々である。

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