2013年5月10日金曜日

インドネシア・ブナケン島の海


インドネシア・スラウェシ島の旅。前回のレンベに引き続き、メナド(マナド)側に移動した後の話です。

メナドのダイビングは、沖合に浮かぶブナケン島がメインになる。周辺は古くから国立公園に指定され、かつてはあのシーラカンスが捕獲されたほどの自然いっぱいの海だ。

メナド市街から30分ほど北上した場所にダイビングセンターを併設するリゾートがいくつか存在する。ブナケン島にボートで移動するのに便利な立地だ。

今回選んだのは、創業40年ぐらいの老舗「ヌサンタラダイビングセンター」。略して「NDCリゾ-ト」と呼ばれる施設だ。

最近、リニューアルして快適なリゾートに変身したらしい。日本での情報が乏しい中、恐る恐る?予約してみた。


行ってみて仰天。なかなかオッシャレ~なリゾートである。レンベの民宿?から移動したので天国かと思った。

リゾート感覚あふれるプールは上と下の2層構造だし、敷地も広く花が咲き乱れ実に良い感じだ。

とはいえ、ソフト面はダメだった。カタコト英語が通じない、言ったことは忘れる、頼んだこともやらない。ナシゴレンのルームサービスに1時間以上かかるし、レストランのサービスも異様なほど間延びしていた。

で、お客さんもほとんどいない。いないのにすべてがスムーズに運ばない。聞くところによると経営者が変わってマネージメントとプロモーションがうまく回っていないらしい。

そうは言っても、段取りの悪さを覚悟すれば穴場のリゾートという見方もできる。ダイビングには問題なかったので、一日中海に出るダイバーなら悪くないかもしれない。


それにしても、せっかくイマドキのアジアンリゾート風にリニューアルしたのに、玄関のそばにあるシュールなマッチョダイバー像は実に微妙である。何が言いたいのだろう。海パンのモッコリがリアルでたじろぐ。

さて、肝心のダイビングの方は、ここで26年も潜り込んでいる46歳のオッサンがチャーターガイドとしてついてくれた。同じくチャーターしたボートには、ガイド以外にスタッフが3人も乗り込んできてアレコレ世話してくれたから、水中撮影に専念するにはなかなか良かった。

18年ぶりに潜ったブナケン島は、部分的にサンゴがダメになってはいたが、トータルでは相変わらずの美しさ。世界的なダイビングポイントと言っても過言では無いと思う。

基本的には、ズドンと深海まで落ちているドロップオフの壁沿いを潜るのだが、透明度も30メートルぐらいあるし、浅場の棚の上は色とりどりの魚とサンゴで癒やされる。近年のレンベ人気に負けまいとガイドも小さい珍しい魚を一生懸命見せてくれる。

★画像をクリックすると大きく表示されます。





わざわざこっちエリアまで出かける日本人ダイバーは、マクロ撮影の鬼みたいなマニアックな人々が多い。近年はレンベエリアだけを目指す人も多いようだが、王道であるブナケン周辺でもマニアが喜びそうな生物は見られる。

個人的にはブナケン側の気持ちよい海の開放感のほうが、泥地ダイビングのレンベ側よりもツボにはまる。再訪するならブナケンエリアだけで潜り倒したいと思う。





私が昔から大好きなクダゴンベだ。何度も遭遇した。フィルムカメラの頃に撮影したのが最後だったから、久しぶりに何十カットも撮影した。

今日の画像のほとんどはすべてコンデジ(オリンパスTG-1)で撮影した。特殊な効果を狙った撮影以外ならイマドキのコンデジは充分に撮りたい画像が撮影できる。

水中着脱式のフィッシュアイコンバーターレンズをストロボアームに常に装着しておけば、超接写から超ワイドまでオールマイティーにカバーできる。

今回、ウミガメに随分会ったのだが、巨大な個体に出会ったときもフィッシュアイコンバージョンレンズが活躍してくれた。





レンズが鼻先に当たるほど接近して撮影しても顔だけのアップではなく、周囲の景観も含めて写せる。カメの大きさを分かりやすくするため、46歳のおっさんガイドダイバーに並んでもらったが、撮影距離は60センチ程度しか離れていない。広角レンズの面白さだ。

それにしてもデカいウミガメだった。それこそ目と鼻の先でストロボ光を浴びせまくっていたから、そのうち怒り出して抱きつかれたりしたらどうしようと少しビビりながら撮影した。

デカいカメの次は全長2センチにも満たない魚。非常に珍しいピグミーシーホースの仲間だ。大きなカメと1.5センチほどの魚の両方が一台のカメラで撮影できるわけだから世の中便利になったものだ。

その名も「ヒポカンポス・ポントヒ」。新種として発見されてからまだ何年も経っていないというレアな生き物らしい。

2個体遭遇したのだが、こいつが小さいだけでなく、常にユラユラ動いているせいで、なかなか撮れない。満足した撮影はできなかったが、レア種を目の前にいると思うだけで興奮するから面白いものだ。




レンベで砂地や泥地を這いずり回るダイビングをした後だけに、抜けるような青い海の中でチョコチョコ面白い被写体が見つかるブナケンの海が楽しくて仕方がなかった。

スラウェシ島のメナドは、その昔、日本からガルーダ航空の直行便が就航する計画があったらしいが、諸々の事情で立ち消えになった。

地図で見ればさほど遠くない。直行便があれば6時間ぐらいの距離だろう。今回はシンガポール経由で現地入りするパターンだったので、結構移動がカッタルかったが、わざわざ行った甲斐があった。

18年前も感激したのに、なんでこんなに間を開けてしまったのかと我ながら悔しく感じたほどだ。

この次が18年後だったら、もう死んじゃってるかもしれないので、遠からずまた行きたいと思う。

せっかくなので、アレコレ撮影した画像を載せておきます。











2 件のコメント:

  1. 今回も楽しませていただきました。

    魅力的な趣味ですね。

    私は、30年前に、一度、ハワイで体験しましたが、続けておけばよかったと、富豪記者さんの写真をみて、後悔しました。

    これからも、潜り続けて下さい。

    返信削除
  2. コメントありがとうございます!

    せっかく30年前に体験されたなら、ぜひまた中年レベルで遊べる範囲でチャレンジしてください!

    私も最近は、潮流が強い場所、深度が深めの場所はパスするような軟弱ぶりを発揮して楽しんでます。

    返信削除