2013年7月24日水曜日

函館


なんとなく函館に行ってきた。これまでに何回訪ねただろう。10回以上になるだろうか。一時は手頃な値段の中古マンションを別荘用に買おうかと考えたほど好きな場所だ。


函館の魅力は空港と市街地と温泉が近い距離に位置している点だ。羽田から1時間程度で行けるので、夕方ふいに出かけても、明るいうちに海を眺めながら温泉につかれる。

ウマい魚介の宝庫だし、散歩する場所にも困らない。実に気軽に「遠いところに来たで~」という気分に浸れる。

宿は湯の川温泉の海っぺりの露天風呂が自慢の宿。他にも泊まりたい宿はあるのだが、砂浜が目の前に広がる解放感たっぷりの露天風呂が恋しくて、いつも同じ宿だ。

温泉旅館だが、夕食抜きでも予約できるので、いつもふやけきったあとで市内にいくつも点在する魚のウマい店に突撃する。

函館で一番のお寿司屋さん「梅乃寿司」は、今回も満席で予約できずに途方に暮れる。金曜夜、土曜昼、土曜夜ともにパンパンらしい。

この段階で旅の楽しみが半減した。まあ仕方ない。着いた日はさっそく温泉でホゲホゲする。

金曜の夕方、大浴場にはほとんど人がいない。コンビニで買った「黄昏流星群」をサウナに持ち込み、うるうるしながら汗を流す(ホントは持ち込み禁止です)。

2時間ぐらい風呂場で過ごしたので結構ヘトヘトになる。メンドーだから、宿から歩いて3~4分の寿司屋「木はら」に行く。

この店は、ニクい酒肴が揃っていて、北海道気分をしっかり味わえる。




たらばの内子、マスコの醤油漬け、毛ガニのミソ焼きだ。冷酒を片手にこんなツマミを舐め舐めしていると、おのずと気分がほぐれてくる。ありえないぐらい柔和で穏やかな顔になっていたはずだ。

握りを少し食べてから、近くのラーメン屋へ。ハシゴ酒ならぬハシゴ食い。これが大失敗。クドくてしょっぱいだけでちっともウマくない。かなり後悔する。

翌朝、朝風呂を堪能してから、レンタカーで恵山方面へ。あてもなくドライブ。海沿いに点在する漁港には、この時期ならではの電飾を大量にぶら下げたイカつり漁船が休んでいる。旅情タップリだ。

朝飯抜きでぶらぶらしていたから、昼近くになって猛烈に空腹感に襲われる。目に付く食事処は皆無だ。仕方なく恵山の道の駅に入ってみる。

食堂に入る。なんか魚臭いし、期待できそうにないなあと落胆していたのだが、嬉しい誤算。1500円の「根ぼっけ定食」が悪くなかった。


刺身、塩焼き、蒲焼き、フライの勢揃いである。元々、ホッケは北海道で食べるに限る!と信じて疑わない私だが、この店のヤケのヤンパチみたいなホッケのオンパレードに結構感動した。

まあ、異様に空腹だったこともあるが、ニッコニコのウッキウキである。フライがとくにウマかった。蒲焼きも初体験。これまたクセになる味だった。




ついでに頼んだホッケの蒲焼き丼までかっ込む。満腹だ。しばらくホッケは見たくないほど食べた。相変わらず旅先のドカ食いが止まらない。

夜、露天風呂から水平線に並ぶイカつり漁船の漁り火が見える。演歌の世界だ。この日もサウナにコンビニで買った漫画をコッソリ持ち込む。

「サウナで漫画」。なんだかヤサグレた感じで悪くない。お陰で干からびるほどサウナを堪能できた。

で、翌日、朝風呂でホゲホゲして、朝飯を抜いて、朝市界隈を散策。空腹状態で函館朝市をぶらぶらすると萌え~って感じだ。ウマそうなものばかり並んでいてツラい。でも、Mである私は大興奮である。

目に入るのはカニ、活イカ、生ウニ、キンキ、ホッケ・・・。店先で焼いていたトウモロコシに危うく手を出しそうになるが、我慢我慢である。

昼近くになって「うにのむらかみ」へ。ここは朝市界隈のガサツなドンブリ屋と違って、値段は高めだが上質な素材を揃えている店。

フードファイト開始である。



礼文の方から届いたばかりの塩水ウニと通常のウニ刺しをもらう。前者はエゾバフン、後者はムラサキウニだ。空腹だから食べ比べたって何にも分からん。ただ、甘くてクリーミーでバンザイである。

生ウニだけでなく、この店の名物であるウニの醤油漬けも注文。これまた酒に合う。生ビールを焼酎に切り替える。昼酒は人生最高の楽しみの一つだ。


活イカもソーメン仕立てに捌いてもらった。まだ小ぶりだ。ハラワタも小さいけどコリコリしたミミと一緒に頬張れば泣きたいほどウマい。


生きた毛ガニも茹でてもらう。ミソが絶品だ。そのまま舐めて良し、身にトッピングして食べてもウマい。500グラムの毛ガニだったが、カニフォークですべてをほじくり出して完食。

そして真打ちだ。丼である。この店の魅力は、ミョウバンを使っていない本物のウニしか使わない点だ。朝市にウニ丼を出す食堂は数え切れないほどあるが、こういうこだわりは有り難い。

ドンブリもこれ見よがしにデカいサイズではなく、やや上品な大きさだ。ここで私の脳みそがフル回転を始める。

「大きなサイズではない」イコール「物足りないぞ」イコール「二つ頼んじゃえば問題ない」。

実に哲学的な洞察により、そんな結論に達する。この店の丼メニューにはハーフサイズも用意されている。でも私は女子供ではない。生きざまとしてそんなものを頼むわけにはいかない。


結局、ノーマルサイズの丼が二つやってきた。ウニ丼とイクラ丼だ。ヒャッホーである。どっちから食べるべきか、交互に食べるには何口でチェンジすべきか、そんな高尚なテーマが頭をよぎる。

ご飯は少し残そうと思っていたのだが、食べ始めたら、そういうインチキは卑怯だと気づき一心不乱に食べる。ウマい。

「痛風?コレステロール?、なんのことでっしゃろ?」。まさにそんな感覚だ。

魚卵だの珍味は頻繁に食べると身体に悪い。その点、私が前の日に摂取したのはホッケとラム肉少々である。だからこの日は何でもアリだ。

わずか1時間半ぐらいの間に、ウニ刺し、活イカの刺身、毛ガニまるごと、珍味ちょろちょろ、ウニ丼、イクラ丼である。オールスターである。大満足だ。この喜びのためだけに函館に行ったようなものだ。

満腹になった後、シメにソフトクリームをぺろぺろする。魚介攻めの後のソフトクリーム、これまた最高である。

そんでもって帰路につく。丸二日の小旅行。気温は20度ちょっと、快晴。実に快適で優雅な時間だった。

2 件のコメント:

  1. はじめまして、いつも興味深く拝見させて頂いております。函館情報、素晴らしいと思いました。今後も楽しみにしております。

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  2. コメント有り難うございます!
    お褒めいただき恐縮です!
    今後もよろしくお願いいたします。

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