2014年8月15日金曜日

しっぽり湯河原


この前の週末、連日の暑さがイヤになり、いつでも気温が低いことで知られる北海道の釧路まで行くはずだった。ところが天気が芳しくなかったから急きょ中止。成り行きで湯河原に行ってきた。

釧路と湯河原。何の脈略もないが、運良く、その日は関東の猛暑も収まり、温泉でグダグダするには悪くない気候だったので結果オーライである。


今更ながら、湯河原、熱海、伊豆方面に車で行く場合、小田原から箱根ターンパイク、湯河原パークウェイ、伊豆スカイラインあたりの有料道路を上手に使うのが有効だと気付いた。

カーナビについつい頼るクセが付いている人は多いが、カーナビはそうした有料道路を無視することが多い。夏場の海沿いの道の大混雑を考えたら、山側からアプローチするのが正解だ。

まあ、気が狂ったとしか思えない料金体系には唖然とするが、渋滞でイライラすることに比べればまだマシである。信号もないし、眺めもいいし、快適なドライブが楽しめる。

さて、湯河原だ。今回は突発的に宿を探したので、希望の旅館はさすがに空いておらず、「阿しか里」という老舗旅館に出かけた。

もう20年以上前、熱海か伊東にダイビングに行った際に泊まったことがある。雄大な露天風呂が印象的だった。

今回は露天風呂が付いている部屋にしてみた。この露天風呂は源泉掛け流し。何とも贅沢だが、季節のせいもあって熱い。水で温度調整できるのだが、ガンガン水を入れて冷ましたから、「バリバリに加水した温泉」になってしまった。


広めのテラスに設置された風呂は緑に囲まれて快適、テラスにはソファもあって、なかなか優雅な空間でのんびりと過ごせた。

浴衣がはだけるのが嫌いなので、旅館に行く時は「マイ作務衣」を持参する私である。便利ではあるが、これを着てウロウロしていると、宿の従業員だと思われて他の客からアレコレ頼まれたりする。困ったものだ。

さてさて、ぬるくした温泉に浸かりながらビールをがぶ飲み。ついでに軟派系週刊誌を熟読しながら葉巻をプカ~。BGMは蝉しぐれと野鳥のさえずりである。これぞ極楽である。

夕方になるとビッグサイズのヤブ蚊の攻撃が始まったが、蚊取り線香をテラスに3箇所ほど置いたら問題なし。

ヒグラシのカナカナ~という音色と蚊取り線香のアノ香りが融合すると、「ニッポンの夏」を心から実感する。


部屋は畳に板の間、ベッドの和モダンタイプ。これは布団敷きの人が出入りしない点で気楽である。朝の布団上げなんてイヤガラセにしか感じない私としては有り難いパターンだ。

問題は食事の場所である。超高級旅館ではないので仕方がないのだが、食事処がオープンな造り。仕切りも少なく、他の部屋のお客さんと合同で食べているような錯覚になる。これなら割高でも部屋食にしてほしかった。

食事自体は工夫を凝らして丁寧に作られていて素直に美味しかったから尚更残念。残念というか、あの路線では全然ダメだ。



お忍び旅行だったら、食事処に案内された途端、食事をキャンセルして部屋に引き返すのではないだろうか。

安宿なら仕方がないが、そこそこの旅館なら、そこそこの非日常感の演出は生命線である。食事スペースの配慮さえ出来れば良い宿なので実にもったいないと思った。

近くの席に陣取っていたオバチャン二人組が妙に高いテンションでくだらない噂話に明け暮れていたせいで、なおさらゲンナリした。

まあ、宿泊前日に予約が取れた宿だし、部屋自体は快適だから、食事はさっさと切り上げて部屋にこもる。夜の月を眺めながら入る露天風呂がまた情緒タップリで良かった。

湯河原は昨年の終わり頃に有名旅館「海石榴」に出かけたし、以前にも「白雲荘」「石亭」などに行った。

箱根湯本方面や熱海界隈とは違って、どこか地味な感じがシッポリとしたイメージと重なる。私にとってお気に入りの場所だ。

さほど大きくない規模の旅館が個性を競っていて、紅葉も綺麗だし、梅の名所だってある。団体客が少ないのもホゲホゲ旅には有り難い。

近いうちにまたフラフラ行くことになりそうだ。クドいようだが、小田原からターンパイクを使ってドライブしていくのがお勧めだ。

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