2015年5月18日月曜日

ラーク 富麗華 ジェームス・コバーン


何度か禁煙していたが、今では何のためらいもなくスパスパしている。

どうやらタバコに愛されている気がする。

何かと不便だからやめたい気持ちはあるのだが、単純にウマいからやめられない。


大学生の頃から「ラークマイルド」を吸っている。考えてみれば30年ぐらいになる。
こだわっているわけではないが、すっかり馴染んでいるので何とかの一つ覚え状態である。

それまではキャビンやキャスターを好んでいたが、やたらと咳き込むようになり、その原因がそれらのタバコの成分だと聞いて、ハタチになる頃、知人に勧められたラークマイルドに変えた。

成分の話がホントかどうかは知らないが、咳が治まったので、それ以来すっかりラークマイルド派になったわけだ。

若い頃は親しい女性にラークマイルドを吸うように強制したりもした。私のタバコが無くなっちゃった時の予備である。ひどい話である。

昭和の頃はテレビコマーシャルといえばタバコだらけだった。ラークシリーズも外タレがやたらとキザな芝居をしながら宣伝していた。

https://www.youtube.com/watch?v=ya99EJRDI7I

ジェームス・コバーンの「SPEAK LARK」シリーズが印象に残っている。そういえば、高倉健サマもラークのCMに出ていた記憶がある。

タバコのCMと若者向けのクルマは平成になってから絶滅した象徴的な存在だと思う。

さて、タバコである。愛煙家への風当たりは厳しさを増している。煙草が吸える飲食店も減ってきた。私自身、禁煙になったせいで行かなくなった店は数え切れない。

ホテルの部屋を取る際も喫煙部屋が無くて慌てたりする。あんな個人的な空間にまで禁煙を押しつけられるのは迷惑である。日本人男性の喫煙率を考えれば、イマドキの風潮は厳しすぎる。

まあ、そんな愚痴を言っても始まらない。コレも時代の流れだ。でも私の周りには喫煙者が物凄く多い。中高年男性に限れば相変わらず喫煙率は高いはずだ。

話は変わる。若い人を相手に昔の喫煙環境の話をすると驚かれる。飛行機の機内で普通にタバコが吸えたことを信じない人までいる。

隔世の感がある。思えば駅のホームだろうと野球場で試合観戦している時でも、タクシーの中でも普通に吸えた。

病院や学校だってタバコを吸える場所はあった。昔の喫煙者はつくづく羨ましい。

あの時代、みんなドバドバ煙を吐きながら暮らしていた。でも、それを理由にみんなが健康を害したという話は聞かない。

私の身近なところでも、祖父も祖母も親戚も当り前のようにバリバリの喫煙者だったが、肺がんで亡くなった人はいない。

まあ、そんな理屈をこねくり回しても世間の空気が変わるはずもないから、せいぜいマイノリティーとして我慢しなければならない。


やたらとカッコいいカウンターバーの写真は、東麻布の「富麗華」の喫煙コーナーだ。

先日、久しぶりに訪れたのだが、相変わらずウマい料理を堪能できてウホウホ喜んだ。そんなことより喫煙コーナーのセンスの良さに感動した。

こういう気配りは有難い。客を大事にもてなす意識があればこそだと思う。

このクラスの店の客層はオジサマが多いはずだ。当然、喫煙者も一定の割合で存在する。そんな人達に肩身の狭い思いをさせない配慮が嬉しい。

世の中に数々の喫煙コーナーと呼ばれる場所があるが、こんなに素敵な空間はなかなか無い。

ちょっと褒めすぎか。実は先日、銀座のクラブで富麗華を傘下に持つ中国飯店グループの社長さんを紹介されたので、ついつい激賞してしまった。

喫煙コーナーを用意してもらえるだけで有り難がらなきゃいけないのだが、中には自分がブロイラーの鶏なのかと錯覚するような場所もある。

文句があるなら吸うなと言われそうだからテキトーにしておく。

百害あって一利なし。俗にタバコはそう表現される。害が百あるのは仕方ないが、利がゼロだとは思わない。

ウマいし、安らぐし、気持ちを切り替えたり沈静化させる要素だってある。

美味しい食事の後にタバコがなかったら実に味気ない。素敵な女性とのムフフの後にタバコがなかったら実に寂しい。余韻こそムフフの総仕上げである。

百害あっても八十ぐらいは利がある。私はそう思う。

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