東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2015年8月21日金曜日
最北端の旅
先日、稚内に出かけてきた。子どもを連れて小旅行する予定が諸事情でキャンセルになったので、「急きょ手配可能な涼しいところ」という理由で選んだ。
稚内といえば、日本最北端・宗谷岬の玄関口である。なんてったって涼しい。夜は寒いぐらいで猛暑からの逃避行としては最高だった。
これまで北海道のあちこちを旅してきたが、稚内は30年ぶり。学生時代、東京からクルマで出かけて北海道一周旅行をした時以来である。
当時、東北道をひた走り、青函連絡船にクルマごと乗っかって函館から外回りをドライブしながら稚内に着くのに3~4日かかった記憶がある。
もちろん、今は体力は無くなった代わりにマイルは山ほど持っている。無料航空券を使ってひとっ飛び。2時間弱で到着した。
空港でスバルなんちゃらという1500㏄の車を借りて3日間、ドライブと散歩と温泉とウニを堪能した。
良く言えば大自然、悪く言えば何も無い。天気が悪かったら途方にくれるところだったが運良く快晴が続き、気持ちよく鼻歌を歌いながらせっせと歩いた。
ドライブに飽きたら歩く以外にやることがない。画像のような遊歩道をテケテケ歩くのは気持ちよかった。
鹿もしょっちゅう見かけた。そこらへんにいた。道路脇には「シカ飛び出し注意」の標識がやたらと設置してあり結構ビビリながら運転した。
もっとも感激したのは宗谷岬に程近い内陸側にある丘陵地帯。実に美しかった。私の中の「北海道らしい風景№1」は間違いなくここになった。
宗谷岬には観光客がわんさか集まっているのだが、宗谷丘陵は、時々バイク旅行者が通るぐらいで雄大な景色を独占できた。
画像の白いクルマがスバルなんちゃらである。キビキビよく走ってくれたが、発進のたびに「急発進です」と機械音声がお節介に注意してくる。その都度「うるせー」と返事をするのがメンドーだった。
ドライブといえば、「オロロンライン」と呼ばれる稚内から留萌あたりの海岸線も素晴らしかった。
走りながら気付いたのだが、30年前、バスみたいに長いシフトレバーを持つディーゼルの四駆で北海道を一周した時に、旭川方面からこの道を北上した。
当時はひたすら宗谷岬を目指していたし、景色に見とれるほど情操面?が成熟していなかったことが懐かしい。
あの頃、ナビなんてもちろん無かったからドライブ旅行は結構大変だった。北海道の輪郭に沿って走るのが一番簡単だった。
内陸部で道に迷ったりしたら、逆方向に1時間ぐらい走っても気付かない。私自身、しょっちゅうそんな状態だった。ナビのおかげで縦横無尽に走れる今とは隔世の感がある。
オロロンロードを稚内から南下しながら風力発電のデカい風車に圧倒され、ひとっこ一人いない海岸に降り立ち、立ちションざんまいの気ままな時間を過ごす。
右手に利尻島を見ながらのドライブ。途中でサロベツ原野などを覗きつつ、稚内から70キロほど進んだところにある温泉を目指した。
天塩という街にある「てしお温泉」は「石油臭くて油っぽいお湯」が特徴だとか。
何じゃそれ!って言いたくなる。実際に体験したくてわざわざ出向いたわけだ。街が運営している健康センターみたいな施設が目的地である。
風情はない。でも、脱衣所横にゆったりした休憩フロアがあって高校野球中継を見られる。文明に毒された私としては有難い。
で、びくびくしながら「石油臭くて油っぽいお湯」に入ってみた。思ったほど臭くはないが、それなりに鼻を刺激するガソリンっぽい香りが独特だ。
湯の表面に油が浮いているのは温泉成分のせいで決して不衛生ではないらしい。トロリと肌にまとわりついてくるような感覚が悪くない。
黒っぽいお湯は石狩方面でも十勝方面でも体験した。東京23区で湧き出る温泉も似たような色合いだが、天塩のお湯はトロリ感が他よりも強い印象だった。近くにあったら通いたい感じだ。
長くなっちゃったので食べの話は改めて書こうと思う。
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