東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2016年3月7日月曜日
吉良邸 江戸東京博物館
そろそろ冬ともオサラバである。散歩にいそいそと出かけたくなる季節だ。日頃、運動不足だから、せめて散歩ぐらいしようと週末はブラブラと街を歩くことが多い。
家の近所だと刺激が足りないから、普段なじみの無い場所を目的地にすることが多い。
若い頃は、若者っぽい街に出没したが、今では下町散策が楽しい。こういう行動パターンの変化も一種の加齢である。
15才の頃、テニスラケットを小脇に抱えて青山ベルコモンズあたりでカシスアイスを食べていたのだが、今では老眼鏡を片手に巣鴨で塩大福を頬張っている。
オトナになったもんだ。いや、オトナも通り越して老境に入りそうな感じだ。
華麗なる転身、いや加齢なる転身である。
さて、先日、両国界隈を散策してきた。その昔、隅田川を挟んでいた武蔵国と下総国が橋で結ばれたことで両国という地名が生まれた。何かの受け売りである。
両国を目指したのは相撲が見たかったわけではない。かつての「本所松坂町」、かの吉良上野介の屋敷跡に行ってみたかったからだ。
子供の頃からの忠臣蔵ファンとして、吉良邸の跡地を訪ねていなかったことは痛恨の極み?である。
赤穂浪士たちのふるさとである兵庫県赤穂市には何度も行った。浪士たちが主君・浅野内匠頭とともに眠る東京の泉岳寺にも何度も出かけた。
にもかかわらず、討ち入りの現場である吉良邸を無視していたのは問題だ。ということで、いそいそと訪ねてみた。
討ち入り当時は2550坪という広大な敷地だったそうだが、現在、記念公園として残されているのはわずか30坪ほどのスペース。小さな社と吉良さんの像が置かれている程度。
大小は問題ではない。紛れもなくこの地で四十七士の討ち入りが行われたのかと思うと「萌え萌え~」である。吉良さん、ゴメンナサイ。。。
周辺は普通の住宅地。一軒家やアパート、マンション、商店が並んでいる。公園になっている場所を除く2520坪の部分は、普通の人が普通に暮らしているわけだ。
「オレんち、昔は吉良邸でさあ、大石内蔵助とかが襲いに来ちゃったんだぜ」と知り合いに自慢できるわけだ。かなりカッチョイイ話だと思う。
吉良邸を後にしてふらふら歩いていると「与兵衛鮨」発祥の地という看板があった。華屋与兵衛といえば関西の押し寿司の向こうを張って江戸前の握り寿司を作り出した人だ。
自分が毎週のように食べている握り寿司が生まれた場所である。小さな看板があるだけだが、そこに立っているだけで妙に感慨深い気分になった。
その後、お相撲さんの力塚や鼠小僧の墓で知られる回向院を散策する。両国橋から隅田川も眺めてみた。動力のない船で往来するしかなかった時代を思えば、ここに橋が架かったことは革命的大事件だったんだろう。
そんなことアレコレ考えているだけで脳が活発に動く。いろんな妄想が浮かぶ下町散歩は私にとっての「脳トレ」みたいな効果もあるわけだ。
その後、江戸東京博物館に行ってみた。20年以上前に出来た時から興味はあったもの、この日初めて足を踏み入れた。
今まで一度も来なかったことを反省しちゃうほど面白かった。思っていた以上に見応えがある。まあ、こういうものを面白く感じられるのも加齢のおかげかもしれない。
普段、生粋の東京人として、東京のウンチクみたいなことを語りたがる私としてはこういうところでキチンと勉強しないといけない。
江戸城の精巧な縮小模型で忠臣蔵の発端となった「松の廊下」をしげしげ眺めた。ブチ切れした浅野さんが吉良さんに襲いかかった因縁の場所だ。
他にも江戸時代の街などが再現された模型に見入ったり、当時の暮らしを思い起こさせる資料や展示物がテンコ盛りだった。
江戸時代だけでなく、明治、大正、昭和へと変遷する街の歴史が分かりやすく展示されている。デカいから散歩の歩数も稼げるし、思った以上に「名所」である。
この日、両国の街を歩いていたら、ちゃんこ屋がやたらと目についた。「霧島」「寺尾」といった今では懐かしい名前の店を眺めるのも楽しかった。
地元の不動産屋も武蔵丸を起用して「いい部屋に“住もう”」というシュールなキャッチフレーズでPRしている。なんか良い感じだ。
東京に暮らしていれば、電車に乗ってチョチョチョイっと名所に行くことができる。マメにあちこちを散歩しないともったいないと感じた次第である。
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