東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2016年4月11日月曜日
銀座のクラブ 同伴 アフター
夜のクラブ活動につきものなのが「同伴」、「アフター」である。店に行く前や店がハネたあとにオネエサンと食事に行くことを意味する言葉だ。
同伴と言っても客である男達が意気揚々と女性を同伴するわけではない。あくまでオネエサンに「同伴される」わけだ。
「する」と「される」では微妙に違う。世の男性陣の悲しい?現実である。
聞くところによると、夜の世界で今のような同伴出勤の制度が確立されたのは40~50年ぐらい前だとか。
それ以前の「カフェの女給さん」の頃からあるにはあったらしいが、同伴ノルマを達成できないと罰金というシステムになったのが昭和40年代以降だとか。
ということで、私も時々は同伴に付き合う。正直に言って、シラフで綺麗な女性と二人で食事をするのは苦手だ。余計な妄想で頭がいっぱいになる。
アフターなんてもっと苦手だ。同伴なら、その後で店に行くわけだから事務的な雰囲気もある。アフターは店が終わった後だから妄想が止めどなくふくらんで余計な所までふくらみそうになる。
だから滅多なことでは付き合わない。だいたい深夜になると激しく眠いのでそれどころではない。
この画像は5年ほど前の春、綺麗どころと同伴メシの前に花見に立ち寄った時のもの。花びらで彩られた着物と千鳥ヶ淵の桜の組み合わせだ。
何とも良い雰囲気で気にいっている画像なのだが、明るい時間にこういう格好の女性を連れ歩いていたせいで他の花見客の視線がグイグイこっちに向けられて参ったことを思い出す。
オネエサン達の事情はさまざまだ。完全売上制の女性もいれば、細かなノルマを課せられる女性もいる。1ヶ月での同伴回数や同伴以外でも自分が呼ぶお客さんの組数など結構細かく決まっている。
ノルマのせいで罰金を引かれまくって雀の涙ほどの給料になってしまう悲惨な女性もいる。
そんな事情のせいかは知らないが、「肉弾同伴」みたいな話も耳にする。お色気攻撃である。まあ通常の自由恋愛ならとやかく言う話でもないが、「営業」のためにソッチ方面で努力する話も無くは無い。それも現実だ。
冒頭で同伴のことを「食事に行くこと」と書いたが、より正確に表現するなら「食事等に行くこと」である。「等」がポイントである。
実際に仕事で付き合いのある紳士のムフフな場面を銀座近辺の某ホテルで目撃したことがある。見るからにその筋の女性と変な時間に客室階に向かって行く姿が勇ましく見えた。「食事」ではなく「食事等」のパターンだ。
まあ、食うか食われるかという意味では「食事」みたいなものかもしれない。
私の場合、そんな事件に?遭遇するわけではないが、以前、完全個室の怪しいカラオケボックスを同伴の待ち合わせ場所に指定されて煩悩の海に沈められたことがあった。深夜のアフターでなぜか人のいない工事中のビルに潜り込んだこともある。
それぐらいである。
本当です。一応そういうことです。
話が逸れた。同伴がテーマである。
なんだかんだ言って、その後、高い酒場に連行されるのに、その前に食事まで御馳走させられるわけだから男にとっては大変である。
男の切なさ、いじらしさ、いや、単なるアホさを象徴する謎の仕組みだと思う。
今でこそ「同伴」という言葉に恐れおののいている私だが、青春時代には「同伴喫茶」のせいで「同伴」という言葉に熱い血潮を沸き立たせていた。
いつのまにか消滅してしまった同伴喫茶だが、私が高校生の頃にはまだまだ健在だった。半個室のような造りで男女がイチャイチャしたり、それ以上の展開に励む場所だった。
消防法だか建築関連法の関係で、個室といっても完全密閉ではなく壁と天井の間が少し開いていた。隣の会話も聞こえてしまうヘンテコな空間だった。
ある時、可愛い女の子と同伴喫茶でこの国の未来を語り合っていた時のこと。お金が足りずに帰るに帰れなくなったことがある。必死で対策を考えたあげく、壁の上のその開いたスペースから金欠の窮状を訴えるメモを隣席に放り込んだ。
不足していたのはわずかに500円ぐらいだったのだが、しばらくしたら無言になった隣の席から壁越しに硬貨が飛んできた。物凄く有難かった思い出だ。私にとっては銭形平次なみのヒーローだった。
あれから35年。あの人達は今も元気に頑張っているだろうか。顔も知らない人に助けられたことで人の世の情けを学んだ高校生時代の私である。
そんな可愛い少年だった私も、歳を取るに連れ「うなじとウナギ」とか言って変な画像を撮影してウホウホ鼻の穴をふくらませている。諸行無常である。
同伴喫茶は消滅し、同伴といえば、夜のクラブ活動専用の言葉みたいになってきた。そのせいで、ネット上のレストラン情報に表示されている「同伴不可」がペットの意味だと気づかず、オネエサンとの同伴を規制している店だと解釈したマヌケな私である。
本気でバカだと思う。
銀座の場合、多くのクラブが同伴での出勤時間は8時半。遅刻するとせっかく同伴してもオネエサン達にはペナルティーが科せられる。だから8時25分頃の銀座8丁目界隈はかなり賑々しい雰囲気が漂う。
上機嫌で綺麗どころと連れだって歩くオジサマ達は「義理」か「愛情」か「下心」のいずれか、もしくは「夢」を心に抱いてそれぞれの店に消えていく。
そんなさまざまな感情が入り交じった8時半前後のあの街の空気が割と好きだ。
なんだか情念が渦巻いている感じがして、眺めているだけで変なアドレナリンが出そうになる。
工事中のビルの件、色々考えてしまいます笑
返信削除なんとも羨ましい…
コメント有り難うございます!
返信削除詳しく書けないのが残念です。