8月である。真夏だ。暑いから今日は軽快な話?を書こうと思う。
私が浜田省吾師匠の次に尊敬する「みうらじゅん先生」がかつて週刊誌の連載コラムで「夜の漢字大賞」を提唱していた。
その漢字を目にしただけで、あらぬ妄想をしちゃいそうな文字を選ぶという高尚な企画だ。
「姦」「性」「汁」「蜜」「股」「勃」などのほか、なぜか「珍」や「具」もエントリーされていた。大賞に輝いたのは「嬲」(なぶる)。
個人的には「淫」が一推しだ。「みだら」である。音読みの「いん」ですら色っぽい響きに聞こえる。素敵な文字だと思う。
都知事選でみっともない負け方をした鳥越俊太郎氏のおかげで、このところ「淫」の文字をよく目にする。淫行騒動を起こしてくれた鳥越さんの功績である。
「淫行」の正しい意味?まで世の中に知られるようになったのだから石田純一が出馬するより意義深かったと思う。
淫行は一般的に未成年や18歳未満の子供とコトに及ぶことだとイメージしている人は多い。自治体の淫行条例という専門用語の影響である。
鳥越さんの件を報道した週刊文春もそうした一般的なイメージをあえて利用した。言葉ひとつで悪質なイメージは一気に強まるから、「疑惑」レベルの話に強烈なインパクトを与えようと知恵を絞ったわけだ。
相手の女性が成人だったから「淫行」という表現はおかしいという声は文春側にも寄せられたようだが、言うまでもなく「淫行」は字面の通り「みだらな行い」を意味する。未成年ウンヌンは関係ない。
性的に不道徳なことは全部が全部「淫行」に当てはまるわけだ。
話は変わる。
報道の現場では「みだらな行い」「わいせつな行為」という表現が頻繁に出てくる。明確な線引きは無いが、基本的にセックスの有無が分かれ目である。
要は「入れちゃったのか、Bまでだったのか」ということ。入れちゃった場合、それが無理やりだった場合には「暴行」という表現に格上げ?される。強姦という言い回しだと強烈すぎるので暴行という言葉が使われる。
そんなことを言うと「みだらな行い」はすべて同意の上だったという解釈になるが、そこまで細かい定義ではないから、「みだらな行いを無理やりに・・・」というケースもあるかもしれない。
まあ、はじめは本気で拒絶していたのに途中からノリノリになるというパターンもあるから、そのあたりはビミョーである。
さてさて、「みだら」「わいせつ」それぞれ掴み所のない言葉である。報道現場の使い回しは別として、一般的には両方とも「いやらしいこと」である。
調べてみても「みだら」の意味が「わいせつなここと」で「わいせつ」の意味は「みだらなこと」だったりする。
突き詰めればいずれも、「性に関して不真面目で乱れていて、だらしないこと。善良な性的道徳観念に外れていること」である。
善良な性的道徳観念などと言われても、善良の定義自体があやふやだから困る。性に関して不真面目かどうかと言われてもそれはそれで困る。誰の基準で判断するのだろう。
大真面目にSMの道を究めている人もいれば、大真面目にスワッピングをしている人々を目撃したこともある。あれはあれでかなり深い世界である。決して不真面目とは言えない。
私だって、コトに及ぶ状況になれば、いつだって大真面目である。どんな場所だろうと、どんな器具を用いようとも、どんなに奇想天外な行為になったとしても、極めて真面目に親密なコミュニケーションをはかろうと頑張る。
マグロ状態で相手におまかせ状態だったら「不真面目」だから「みだら」だが、真面目に奮闘している以上、「みだら」でも「わいせつ」でもないわけである。
中高年になると旧友と酒を酌み交わしていてもワイ談の度合いが減ってくる。「アッチのほうはどうよ?」という質問には「サッパリだよ」という回答が決まり文句になってくる。
由々しき事態である。「みだら」や「わいせつ」に振り回されていた若い頃を思えば、そんなセミリタイア状態ではダメである。
セミが大合唱する季節である。ミンミン、ジージー、ツクツク鳴いているのはオスだけだ。あれはすべて交尾相手のメスを探す叫びである。
セミリタイアではなく、セミを目指して頑張らないといけない。
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