東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2016年10月3日月曜日
ゲロッピー
ゲロを吐かなくなった。いきなりだが今日はゲロの話です。ゲロだらけです。
10代の頃は飲むたびに吐いていたような記憶がある。
20代の頃も似たようなものだ。しっかり飲めばいつでもゲロ太郎だった。
社会人になって割と早い段階で社内の急激な世代交代のせいで年齢に見合わない役職に就いた。そのせいもあってやたらと仕事の会合が多く、若造である私はバンバン飲まされた。
あの頃は身体で受け止めるように飲んでいた気がする。帰宅した途端、真っ先にトイレに駆け込んでゲゲゲのゲーだった。
30代ぐらいでようやくコントロール出来るようになったが、それでも結構な頻度でゲロッピーになっていた。
40を過ぎたあたりでようやくゲロ激減生活になったように思う。バカみたいだ。
今年も、いや昨年もゲロッピーになった記憶がない。良いことである。こんな歳になってゲーゲーするのもカッチョ悪い。
と言いながら、脱ゲロに成功した今になってゲロ男だった時代を懐かしむ思いもある。無鉄砲に飲めなくなったという現実は“大人的予定調和”の極みである。無難に収まってしまった感じがちょっとだけ淋しい。
とはいえ、ゲロゲロゲロッピーの辛さは今の私にはキツい。体力的に相当消耗する。私の場合、一線を越えると一度のゲロではスッキリせず、朝まで何度もトイレに籠もって胃液しか出ないのにオエオエしちゃう。翌日はヘロヘロだ。
一応、昔から紳士を自認?していた私は、基本的に人前で暴発ゲロをぶっ放したことはない。ちゃんとコッソリ吐く。
時には友人と「連れゲロ」することもあったが、少なくとも路上にぶちまけたりすることはなかった。
昭和のあの頃は所構わず吐きまくるバカがいっぱいいたから私などは上品なほうだったと思う。
高校の終わり頃だったか、男女混合で旅行に行った時のこと。みんなでカードゲームをやっている横で酔って寝ていた友人が仰向けで寝たまま天井に向かって寝ゲロを爆発させたことがあった。
まさに阿鼻叫喚の世界である。寝ゲロが降りかかった女の子が悲鳴とともに瞬時に服を脱ぎだし「ゲロとストリップ」という一大スペクタルショーが展開された。青春の1ページである。
さて、若い頃は酒の力を借りて女のコをナントカしちゃおうと頑張ったりもした。でも結局しょっちゅう返り討ちにあった。すなわち、こっちが先にベロベロになっちゃうパターンである。
そういう時も当然、こっそりトイレで身軽?になってから戦いの場に戻った。無駄な消耗戦である。負け戦ばかりだった。
あの情熱はどこから湧いてきたのだろう。
今ではホロ酔い程度で満足して、とっとと帰ってガーガー寝てしまう。
自慢じゃないが女性からの誘いを断ったことさえある。
訂正します。ちょっと自慢でした。
というわけで、アイドル歌謡の歌詞だったら「サヨナラの数だけ大人になった」とか「涙の数だけ大人になった」となるところだが、私の場合は「ゲロの数」だけオトナになったわけである。
今は昔より酒量も減ったが、考えてみれば昔のほうが健康だったのかもしれない。ゲロを吐くという行為は自己防衛機能だ。身体がダメ判定をシビアにくだすことである。
不要と判断されたアルコールその他が身体から強制排出されるわけだ。悪い話ではない。吐かずに済んでいる今はすべてを体内に吸収している。
強制排出機能?は加齢とともに鈍感になり、その分「沈黙の臓器」である肝臓たちが毎晩毎晩フル稼働しているのだろう。漠然とそんな気がする。
今は飲み過ぎると次の日の夕方までスッキリしない。ようやく酒が抜けたと思えても身体の底に澱(おり)が溜まったような気がする。
朝までエンドレスで黄色い胃液まで出しまくっていた若い頃は、午後になれば突然すっきりした。そうなるとデトックス完了みたいな気分になってトンカツをドカ食いするのがいつものパターンだった。
高校生の頃、友人から教わった素敵なフォークソングがある。タイトルは「教訓Ⅱ」。作詞は「なぎら健壱」である。
サビが大好きで、昔は吐きながらよくこのフレーズを口ずさんでいた。
♪ 青くなって~ もどしなさ~い
吐きなさい あげなさ~い ♪
もう私には縁遠い歌になってしまったが、これからまだまだゲロゲロゲロッピー生活を送る若者達に捧げたい。
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