東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2016年11月9日水曜日
おごり、おごられ ヤセ我慢
男性から食事に誘われたのにワリカンだった・・・。女性陣からそんな話を聞く機会が多い。いまどきの世相を表しているのだろうか。
ワリカンがダメだとは言わない。状況によっては普通のことだ。でも、いっぱしの年齢の男が女性に好意を持って誘ったにもかかわらず、ワリカンを当然だと思うのはどうなんだろう。
昭和世代の男としては理解不能だ。その昔、好きな女の子にお洒落な店で御馳走して、その後数日はカップ麺をすする若者が珍しくなかった。男が「草食」などと呼ばれなかった時代だ。
持ち合わせがなくて恐縮しながらワリカンを求めるなら仕方がない。それでも次の機会にガッツリお返しをするのが普通だ。あくまでワリカンが当たり前という感性は情けない。
女性に対する男の態度なんてものは「やせ我慢」が基本である!?。
見栄を張る、イキを気取る、格好つける等々、すべて突き詰めれば「やせ我慢」と同義語だ。
クジャクといえば大げさに羽を広げる姿をイメージするが、あれだってオスがメスの気を引くための行為である。極楽鳥などはメスの前でダンスを踊って気を引こうとする。自然界ではオスがメスのために涙ぐましい努力をするのが普通だ。
「正しい男論」を語るほど私に経験があるわけではないが、やはり男たるもの女子の前では踏ん張らないといけない。
男のイジらしい頑張りをバカと呼ぶ人もいる。確かにバカみたいな部分もあるが、好意を持った女性に対してバカになれないようなら相手の気持ちが盛り上がることはない。そんなもんだと思う。
デートに誘ったくせに、もろもろの費用を女性に払わせるオトナの男などヤボの極み。でも、そういう話を結構な頻度で聞くということは、世の女性達は野暮天野郎の誘いに平気で応じるということでもある。
最近、デートっぽいことから縁遠い私にとっては憤懣やるかたない状況だ。金欠の時でもそれを必死に隠す見栄っ張りな私のほうがマシだと思うのだが、何かがおかしい!!
まあ、私がここで頭を抱えたところで何も始まらない。結果はどうあれ?今後もピーピー言いながら「やせ我慢」の日々を過ごすとしよう。
相手が女性ならともかく、男同士の場合には少し事情が違ってくる。男同士だとプライドというか、独特の自負心が絡んでくるので男女間の場合とは微妙に違いがある。
上司と部下、先輩と後輩といった組み合わせなら、程度にもよるが支払いは目上側が持ったり、多めに負担することが一般的だろう。
社長と課長が飲んだ際にワリカンという構図はありえない。同年代の課長と課長補佐ぐらいならワリカンもありだろう。職場を通した人間関係ならさほど難しい話ではない。
仕事に関係のないプライベートな間柄だと、一歩間違えると人間関係にヒビが入ったりすることもある。
私自身、苦い思い出がある。大学生になって間もなく知り合った男がいた。地方から出てきた苦学生でスポーツ推薦枠で入学してきた。
ノホホンと都心の一貫校に通いフニャフニャしていた私とは違って剛気な男だったのだが、妙に気があって仲良くなった。
ある時、講義資料か何かをコピーに行く彼に私の分も頼んだのが、そこで一悶着があった。
私の分のコピー代が確か140円ぐらいだった。200円を渡して「お釣りはいいよ」と言ったら彼が怒り出した。「バカにしてんのか」みたいな趣旨でしつこくブツクサ言われた。
こっちも悪気はなかったし、彼の言い方も気にくわなかったので、結局60円のせいで険悪になりそれ以来疎遠になってしまった。
「おごる、おごられる」ことの難しさを痛感した一件だった。いま思えば、その一件だけでなく、私のそれまでの言動に彼をイラつかせる部分があったのだろう。
「おごる」という言葉は自分のお金で御馳走するという意味で使われるが、大元の日本語の意味は「奢る平家は久しからず」という諺にある通り「思い上がった振る舞い」である。
すなわち「おごられた」ということは見方を変えれば「思い上がった振る舞いをされた」という解釈にもなるわけだ。
金額の高い安いではない。そこが恐い部分でもある。不快に感じる相手にとっては例え数百円、数十円単位だろうと関係ない。
「宵越しの銭は持たねえ」的な江戸っ子気質のせいもあって、本来あまり小さな金額でガミガミやりあうのは苦手な私である。
自分ではカッコよく収めたつもりでも、時と場合によっては、そんな態度こそが傲慢に映ってしまうのかもしれない。
なかなか難しい事である。
アウンの呼吸でスッキリ支払いが済むような感性の相手とだったら余計なストレスは感じないで済む。そんな会合ばかりなら気疲れしないで単純に余韻に浸れるってものだ。
アレコレ書いてきたが、やはり、女性相手にカッコつけながら御馳走して、お世辞を言われて調子に乗っているのが気持ちの上では一番ラクチンだ。
そして財布はどんどん淋しくなっていく・・・。
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