東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年3月22日水曜日
涙の役割
男が人前で泣くな。そう教わってきたし、そう思っているし、その通りに生きてきた。
なんて書くとチョット格好いいが、切ない映画を見れば泣くし、ハマショーのライブでも泣く。そんなもんだ。
そうはいっても、簡単に涙を見せてはいけないという思いは人並みにある。大げさに言えば泣くことは悪いことぐらいに思っている。
ところがどっこい、涙を流すことって人にとって大切なことらしい。ストレス解消には眠ることが一番有効で、それ以外の唯一の方法が泣くことなんだとか。
そもそも涙が出るのは心身の健康を維持するためで、このままだと危険だと脳が判断すると強制的に涙を出してストレスをコントロールするらしい。
フムフムって感じである。私がハマショーのライブで泣くのは、感激しすぎてバカになっているから、それ以上バカにならないように脳が“危険”だと判断して冷まそうとするのだろう。
先々週、友人が急逝した話を書いたが、その通夜の場でガンガン泣いてしまった。止めどなく涙がこぼれて我ながら慌てた。見る人が見たらあれは号泣である。
あの日は通夜に向かう前から変なテンションだったのだが、友人の遺影を目にした瞬間に感情が崩れてしまい、やはり脳が危険信号を発したのだろう。
でも不思議なもので、ひとしきり泣いた後に一種独特なスッキリした感覚が身体を支配した。脳波が安定したというか、何かを突き抜けたような別次元の感覚に変わった。
しっかり泣いちゃって良かったのかもしれない。とことん我慢して唇を嚙んで耐え続けたら心のバランスが壊れてしまいそうだったから、本能的に脳がバランスをとったわけだ。
涙の効能、なかなか大したものである。
ちなみに世の中には「涙活」という言葉もあるそうだ。悲しい映画や切ない朗読劇などを活用して定期的に泣く機会を作ろうという活動だ。
なんだかヘンテコな習慣のような気もするが、上に書いてきたような涙の効能を考えると健康法としては理にかなっているのかもしれない。
「涙活」は主に女性に人気らしい。確かに女性のほうが泣くのは得意である。男ほどにはこらえずに涙を流すのが女性という生き物だ。いうなればストレスコントロールの達人なのかもしれない。
男より女のほうが遙かに寿命が長い理由もひょっとしたらそのあたりに秘密があるのだろう。
というわけで、今後は闇雲に「男は泣いてはいけない」などと気取らずにビービー泣いてやろうと決意した。
以後、私がオイオイワンワン泣いているのを目撃しても、単なる健康法の実践なので気にしないでください。
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