東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年10月20日金曜日
シメのラーメン まかない㐂いち
たかがラーメン、されどラーメン。ニッポンの食文化の一角で独自の世界観?を見せるのがラーメンである。
誰の周りにもラーメンを熱く語る人がいるはずだ。私の友人にもラーメンブログを黙々と更新し続けている変な男がいる。日々、素晴らしい鑑識眼によってラーメンの深淵を徹底解剖すべく奮闘している。誉めすぎか・・。
ラーメンを語るだけだから、文章表現には限界もあるようで、時に脱線しながら涙ぐましい努力を続けている。
http://blog.livedoor.jp/kin_nosuke/archives/1068085724.html
さて、食べることが好きな私だが、昔からラーメンには強いこだわりがない。麺よりコメを愛しているせいだろう。
酔っ払った後のシメにラーメンが頭をよぎっても、結局は牛丼をかっ込む確率のほうが高い。
そうは言っても、汁っぽいものを食べたい時もある。酔った後のラーメンのウマさは、スープを味わうジンワリ感に尽きるような気がする。
酒に疲れた胃袋に染みこむスープこそが「ニッポンの酔っぱらいの明日」を支えている。
当然、ギトギトベトベトの若者向けラーメンは勘弁である。あれは夜が更けた頃にオトナが口にすべきではない。一歩間違えたらゲロ惨事を招く。もともとゲロみたいだし・・・。
すっきりとして滋味溢れるスープこそシメのラーメンの醍醐味だが、出来ることなら「麺は10本ぐらい入れてくれればいいです!」と注文できればデブ化を防げる。まあ、そんな注文をする勇気は私には無い。
先日、とある店でシメのラーメンの鏡のような逸品に出会った。感動した。
銀座の料理屋さんでのこと。その店、元はラーメン屋さんが出店した割烹料理屋さんだとか。店の名前は「まかない㐂いち」。8丁目の雑居ビル内に隠れ家のように構える店だ。
一人でふらっと入るような雰囲気の店かどうか分からなかったため、銀座のベテランオネエサンにメールして取材してみた。
蛇の道は蛇である。お姉さんは何度もその店を使っているとのこと。やはりあの街のことはベテランホステスさんに尋ねるのが手っ取り早い。
結局、リサーチだけでは済まずに、そのオネエサンの同伴出勤に絡めとられて初訪問。まあそれもオジサマとしてのたしなみ、お馴染みさんとしての甲斐性である。
憎い品揃えの店。一言で表現するならそんな感じである。魚介類の鮮度も調理法もバッチリで、オジサマを喜ばす珍味も豊富だ。
肉類のメニューも揃っているし、カニクリームコロッケやメンチカツといったオジサマがムホムホ言うラインナップも用意されていた。
一つから注文できるここのメンチカツ、この数年で一番ウマかった。ウマ味と甘味ジュンワリでちょっとビックリするレベルだった。
で、肝心のシメのラーメンである。さすがに元々はラーメン屋さんが始めた料理屋である。醬油ラーメンと塩ラーメンが用意されていた。
特筆すべきはサイズの自由度である。普通サイズの他に2分の1、そして4分の1まで選べる。4分の1を二つ注文したって普通の半分である。
4分の1サイズを2種類並べたのが上の画像だ。醬油、塩どちらも抜群だった。醤油味は、いにしえの正統派東京ラーメンそのもの。奇をてらったところは無いが、スープのウマ味が強い。後味も爽やかで口の中が幸せになった。
塩味のほうもこれまたウットリだ。塩ラーメンというより正しくは鯛ラーメンである。鯛のダシの滋味がグイグイ押し寄せる。優しい味わいなのにコクが強くパンチが効いている。
「全日本シメのラーメンコンテスト」を開催したら上位入賞間違いなしだと思う。こういう店が雑居ビルの上の方で目立たずに営業しているのが銀座という街の面白さだ。
メニューに値段が書いていない点は銀座的だが、近隣の日本料理屋や寿司屋に比べれば“平和”な御勘定で済む。安くはないが、場所と内容を考えれば驚くほどではない。
ダイエット中(のつもり)の私にとっては地獄の一丁目みたいな店だが、そういう邪念のない人にはパラダイスだろう。
デブは罪。そんな言葉が脳裏をよぎる秋の夜。
後れ馳せながら10周年おめでとうございます。
返信削除素晴らしいお店、そして素晴らしいラーメンブログをご紹介いただきありがとうございます。
ラーメン愛に溢れ、富豪記者様に勝るとも劣らない文才にただただ感銘をうけた次第です。
ライブも楽しみにしております!