東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2018年6月8日金曜日
肉肉しい
なんだかんだと焼肉屋に行く機会が多い。若い頃に死ぬほど愛した焼肉だが、最近は重く感じる。
寿司屋や焼鳥屋のほうが嬉しいのだが、若いオネエサンの気を引きたい等々のオトナの事情で焼肉大会になることが多い。
焼肉屋では私は単なるスポンサーである。一応、いっぱしのオジサマだし富豪を目指す立場としては、そういう場面で安いメニューは選びにくい。
「上」「特選」といった妙に高いヤツを注文するハメになる。高くなるほど脂っぽいのが焼肉屋の決まりだ。これがツラい。
上の画像は特選タン塩である。タンといえばサッパリ系だと思っている私にとって、この白っぽさは厳しい。一切れで充分だ。
下の画像の盛り合わせも結局は白っぽい。若い人はガシガシ嬉しそうに食べるのだが、私はこっちも一切れで満足である。
20代の頃は脂っぽい肉が大好物だった。カルビだけで満足だった。白い部分が多ければ多いほど喜ばしかった。
焼肉屋での話ではないが、すき焼き鍋に始めに塗りたくる牛脂ですら食べちゃったこともある。
栄枯盛衰。変われば変わるものである。加齢の現実だ。
馬や羊の肉が美味しく感じるようになったのは中年になってからだ。牛肉を重く感じるようになったことで、アッサリした肉に引き寄せられたのだろう。
池袋の「辰」という羊肉専門店での画像だ。見るからにサッパリだ。脂身の部分も重くない。こういう肉をつまんでハイボールをグビグビするのが無難である。
物流が良くなったせいか、昔のように匂いが気になることもなくなった。羊肉はカロリーも低いし、ビタミンも豊富でコレステロールを減らす効果まであるらしい。
同じ店の醬油煮込みである。これも酒のアテとして悪くなかった。何よりも食べ終わった後に重たい感じがしない。中高年向きだと思う。
別な日、私がボーカルを務めるオジサマバンドの練習後に出かけた居酒屋でもラムを食べた。池袋にある「芝浦食肉」という店のラムだ。
ピンク色のレア状態で食べ頃らしい。サッパリしている割には肉をガシっと囓る喜びもある。おかげで黒ホッピーを飲み過ぎてしまった。
別な日、肉専門のファミレスに行く機会があった。「肉の万世」である。ファミレスだとナメてかかっていたのだが、メニューをじっくり見ると結構な価格帯の商品が多い。ガストに比べると3倍ぐらいの予算が必要かもしれない。
変な話、高いということはある意味で安心だ。安さ優先の店で食中毒になって死んじゃうのは切ない。年齢的にもいろんな菌に抵抗力が弱まっているから少しぐらい高いほうが安心である。
スペアリブと粗挽きハンバーグだ。ファミレスに行っても酒のツマミになりそうなものを頼みたいから、高いステーキよりもスペアリブのほうが嬉しい。
スペアリブを囓りながら骨を引きはがす瞬間にエクスタシーを感じる。きっと太古からのDNAのしわざだと思う。「はじめ人間ギャートルズ」の骨付マンモス肉に憧れた世代にとっては共通の感覚だと思う。
粗挽きハンバーグはハンバーグのくせに2500円ぐらいの値付けだ。強気である。でも肉肉しくてウマかった。変に柔らかいグニュっとしたハンバーグが幅をきかせる世の中にあって、肉っぽさをガッツリ押し出した男っぽい雰囲気だ。また食べたい。
今日は肉の脂っぽい部分を考察するつもりだったのに、結局は池袋の居酒屋とファミレスで食べたものを得意になって語ってしまった。
富豪への道は険しい。
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