クジラベーコンはウマい。つくづくそう思う。いつの間にか高級品になってしまったが、30年ぐらい前の居酒屋では安くてドッサリというパターンも珍しくなかった。
日本人は大昔からクジラを食べてきた。縄文、弥生の遺跡からも骨が出土しているらしい。
ただ、戦後混乱期には代用肉だった歴史があるため「安っぽいもの」という悪しきイメージがあるのも確かだ。
今は調査捕鯨しか出来なくなったから、クジラは貴重品になり、ベーコンだってミンククジラの上モノなどはやたらと高価だ。
これは銀座の某寿司屋で出されたクジラベーコンの姿だ。なんだか仰々しい。昭和の頃のお気軽感は皆無である。
クジラベーコンはウネスと呼ばれる部位が基本だ。アゴから腹にかけてアコーディオン状にうねっているあたりだ。塩漬けやら燻製、ボイルなどで加工することでベーコンと呼ばれる。
さえずりと呼ばれる舌もベーコンにされることもあるが、基本はウネスの部分だ。さえずりもプニュっととろけるような味わいでタマランチンだが、ウネスのベーコンもまた味に深みがあって最高だ。
加工品だからウマいマズいの差は激しい。ゴムみたいな食感でヘンテコな着色があるヤツはイマイチである。食べて損したような気分になる。
やはり安かろう悪かろうである。然るべき店、それなりの店で出てくるベーコンには間違いがない。
そういう店の場合、今どきわざわざクジラベーコンを仕入れる以上、そうそうヘタなものは出さないから安心だ。
この画像は、私がちょくちょく顔を出す目白の「鮨おざき」で出された一品。ワガママを言って常備するようにお願いした。今後は安定的にウマいベーコンが食べられそうで嬉しい。
クジラベーコンはやはりカラシ醬油が一番しっくり来る。ポン酢も悪くない。マヨネーズ派、ウスターソース派の人もいるらしいが、個人的には王道系?のカラシ醬油が好みだ。
他にもウマい食べ方はないだろうかと、炭火でこんがり焼いてもらったが、独特の風味が逆に弱まった気がしてNGだった。軽く炙るぐらいなら良さそうだが、やはりフツーの食べ方が一番だ。
ちなみにクジラベーコンは人間の身体に良いとされるナンチャラ脂肪酸が豊富で、実にヘルシーな食べ物らしい。
脂っぽいものが苦手な私でもムホムホ食べちゃうのはそのあたりにも秘密があるのかも知れない。
欧米からの圧力でクジラが食べられなくなった現状は、なんとなく昨今の禁煙ファッショと似たようなウサン臭い感じがする。
近年、クジラが増えたことで逆に生態系に異変が起きているという話も耳にする。実態はよく分からないが、適度な管理の中で鯨食文化は維持されて然るべきだと感じる。
今日は、鯨の話ついでに私が小学生の時に、少しヒットした名曲を紹介する。「ちゃんちゃこ」というフォークデュオが歌っていた「空飛ぶ鯨」という曲。
なんとも深い歌詞が印象的だ。
https://www.youtube.com/watch?v=90WeDYoI5xU
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