東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2019年3月11日月曜日
お塩でどうぞ
「そのままでどうぞ」、「お塩でどうぞ」。
飲食店でそんなセリフをよく聞くようになった。
料理を美味しく食べさせたい店の人の気遣いである。それは分かっているのだが、中には「?」もある。
トンカツを前にして、そのままで味わえと言われても困る。私にとってトンカツはソースと渾然一体となってはじめて成立する食べ物である。
蕎麦を出されて「塩でどうぞ」って言われたり、天ぷらを「カレー塩でどうぞ」と言われることもある。
もちろん、そうやって食べても案外ウマいんですよ的なニュアンスで言われるなら納得する。押しつけ気味に言われると気持ちがザワザワする。
もともとアマノジャク気質がある私が悪いのだろう。でも、ここは私のワガママが書けるブログだからウジウジと主張したくなる。
春巻だってシュウマイだって同じである。そのままでも味が完成していることが多いが、私としては酢醤油で食べたい。
こうなると好みの問題だが、よほどヘンテコじゃない限り、好みの食べ方を押し通すのは悪いことではない。
私の場合、渋々ながら塩でトンカツを一口味わったとしても「ソースのほうが断然ウマいですね」とニコヤカに答えるし、完全塩派?の天ぷら屋でも躊躇なく最初から天つゆを持ってきてもらう。
商店街で揚げたてのコロッケを立ち食いするようなシーンに憧れるのだが、コロッケにはどうしてもソースが欲しい。だから今まで一度も経験したことがない。
蕎麦を塩でというパターンも一度も試したことはない。こうなると食わず嫌いに近いのかもしれない・・・。いや、完全に老害の域に入ってしまったのかも。
焼鳥屋さんでも、塩、タレを選べない店がある。お店のこだわりは理解しなきゃいけないのだろうが、個人的にはレバーを塩で食べるのはビミョーだ。
その他はともかく、レバーはタレにつきる!
素材の良さを感じてもらいたい、素材そのものの味を楽しんでもらいたい。大いに賛成だし有難いことである。
でも、素材そのものを押しつけられても困ることだってある。
冷やしトマトにマヨネーズが添えられていなかったらキツいだろうし、もろキュウに味噌が無かったら単なる「キュウ」になってしまう。それはないか・・・。
ちなみに最高級で最上等の本マグロの中トロの刺身があったとする。素材そのものを味わうといっても、そこに醬油が無かったら全然ダメである。食べる気にならないだろう。
定番の組み合わせこそ、味の完成には不可欠である。当たり前のようで物凄く大事な真理だ。
クジラベーコンをカラシ醤油ナシでそのまま味わったってマズいし、ハンバーガーにしてもケチャップを食べるようなものだ。
定番に惹かれるというか、あくまで保守的になってしまう。自分が料理人だったら、きっと独創性はちっとも出せないような気がする。
でも、それはそれで大事だ。斬新な組み合わせの大半は定番にはなり得ない。
いずれにしても、食べ方の押しつけが店のエゴになっちゃうと途端にシラける。あくまでド定番の組み合わせを大前提としたうえで、時々、変化球を混ぜるぐらいにして欲しい。
青年の主張ならぬ「偏屈オヤジの主張」になってしまった。
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