2020年4月17日金曜日

道路ウォッチング


どこもかしこも閉店している今、私の憩いの場所が職場からすぐの距離にあるプロントである。屋外席はタバコが吸えるので毎日のように利用している。

いつも空いているから三密の心配はない。喫茶店に限らず、いま営業している店はランチタイムの一瞬を除けばガラガラだ。



この画像は新富町にある焼鳥屋さん「義常」。普段は大賑わいで一人でふらっと訪ねても入れないことが珍しくない。

夕方の6時ぐらいにこの状況だ。これだけ空いていれば感染対策上まったく問題ないからホゲホゲ過ごせる。

とはいえ、酒類の提供は19時まで、閉店は20時という行政の要請を守っているのでダラダラするわけにはいかない。

なんとなく、急いで酒をかっくらう感じになるから変に酔いが回る。なんだかなあって感じだ。

ガラガラな時は酒の提供時間を厳密に守る必要なんか無さそうだが、そこはさすがに日本人の美徳みたいなものである。渋々“要請”に従っているお店の姿勢には頭が下がる。

話は変わる。夜、一人で家にいることが増えたから退屈しのぎに始めてみたのが「道路ウォッチング」である。



今の住まいは幹線道路沿いのマンションの5階だ。窓から見える通りを見下ろして、道行く人を眺めるだけなのだが、案外これが面白い。

吉野家やコンビニがある関係で遅い時間でもポツポツ人は行き来している。どう見ても喧嘩しながら歩いている夫婦や、絵に描いたような千鳥足で歩く酔っ払いを見ていると飽きない。

5階からの距離だと、目にする人の性別やおおよその年代は分かるが顔や表情まではよく見えない。そこが妄想をかき立てて面白い。

吉野家から出てきたオジサンの人生を想像してみたり、今のご時世に深夜に34人で歩いている若者の姿に腹を立てたり、早足で歩く女性の仕事を想像したり、バカみたいだが結構楽しい。

向かいのマンションから深夜に出てきた紳士が一人、タクシーを待っている姿を見れば、不倫相手の部屋から帰るような物語を想像する。

暇つぶしには悪くない。のぞき趣味がある人の気持ちがちょっと分かる気がする。なんだか根暗な少年みたいな行動だが、今の時期はそんなことでもしないと退屈だから仕方ない。

明るい時間より深夜のほうが何となく興味深い。きっと明るい時間は街行く人々もどことなく世間の目を意識しているのに対し、深夜は極端に人が少ない分、“素”の空気が漂っているからだろう。

そんなことを分析したところで意味はないが、あれこれ妄想したり空想しながら人間ウォッチングをするのもボケ防止になるかもしれない。

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