2020年5月20日水曜日

いまこそハマコー!?


YouTubeを脈略なく観ていたら懐かしのハマコーが出てきた。私が敬愛するハマショー師匠ではない。政界の暴れん坊として知られたハマコーである。



福田・大平時代の自民党が内部分裂した、いわゆる四十日抗争の際にテレビ向けにパフォーマンスしているハマコー先生の若かりし頃の姿だ。

私は社会主義は嫌いだし共産主義は論外だから、昔から自民党支持だ。消去法みたいな支持層といえるが、多くの自民党支持者はそんな感覚だろう。

自民党といえば揉め事である。上で書いた四十日抗争もそうだし、数え上げればいくつもある。

竹下元首相が親分の田中角栄さんと袂を分かつことになった創政会の結成もインパクトがあった。怒りまくった角栄さんはまもなく脳梗塞で倒れ政治生命を絶たれた。

それ以前にも今の河野防衛大臣のパパである河野洋平氏らが自民党を飛び出して新自由クラブを結成したり、石原慎太郎や後に壮絶な自殺をする中川一郎らが青嵐会というグループを作ってガーガー言い出したこともあった。

いま思えば、ある意味で昭和の頃の勢いそのままの“活気”を象徴していたのだと思う。

平成になってからも宮沢内閣時代に小沢一郎、羽田孜らが党を割って出た大騒動もあった。

小沢グループは新生党を結成し、その後、細川連立政権につながっていく政変を演出することになった。

小泉劇場と呼ばれた一連のスッタモンダだって、自民党総裁選の場で逆説的に「自民党をぶっ壊す」と言い出したことで始まった。

他にもヘナチョコな尻すぼみで終わった「加藤の乱」なども懐かしく思い出す。

そう考えると“内輪もめ”こそが自民党の原動力だったと言ってもおかしくはない。

何でこんな話を書き始めたかというと、昨今の自民党の体質があまりにシャバダバだからである。



上に書いたような数々のゴタゴタは、その功罪は別として政権与党としての活力や緊張感を生んでいたのは確かだ。

安倍政権の迷走ぶりは目を覆うばかりである。いよいよ不支持率が支持率を上回る段階に入った。長期独裁の緩み、歪みに対する国民の不信感は高まるばかりだ。

安倍政権のトンデモぶりが問題なのは間違いないが、その背景には自民党のダメっぷりがあることも確かだ。

すっかりゴタゴタや揉め事の無くなった自民党の現状が結果的に今の事態を招いた元凶だろう。

善し悪しはともかく、権力闘争が健全に行われれば、失政、失策に対する党内からの攻撃は激しくなる。それが一種の自浄作用になるわけだが、そうした自浄作用が機能していないのが今の自民党だ。

検察庁法改正案がいったんは取り下げられることになったが、これも党内からの自浄作用によるものではない。SNSなどをきっかけにした世論を恐れたゆえの判断だ。

桜を見る会やモリカケ問題にしても、昔の自民党であれば反主流派勢力が一気に安倍おろしに舵をきったはずだ。そのぐらいの悪事である。

党執行部の一強支配によって「物言えば唇寒し」の状況になってしまった党内のダメっぷりが結果的に政権の延命に手を貸すことになっているわけだ。

その昔の政治改革によって選挙制度が小選挙区制に変わり、党執行部の権力が絶大になったことが基本的な理由だ。当時、多くの国民が願った政治改革の結果である。実に切ない。

ついでに言えば「官僚支配から政治主導へ」という旗印のもとに行われたいくつもの改革も、結果的に政権に媚びへつらい、忖度するだけの霞ヶ関の現状を招いてしまったのも皮肉な話である。

いずれにせよ、あれだけの国会議員数を抱えるマンモス政党なのに、党内での健全な権力闘争が見えてこないないことは異常だろう。

結局は顔になる人物を中心に数十人規模で党を割って出るような起爆剤が働かないと変化は起きないのだろうか。

ちょっとベタ過ぎる妄想だが、小泉ジュニアや石破さんあたりが100人ぐらいを引き連れて“脱藩”し、人気急上昇中の大阪府知事あたりと合流し、新しい勢力を結集すれば一気に風向きは変わるはずだ。

そんな妄想をしたくなるぐらい安倍政権のヘッポコ状態が哀しい。

2 件のコメント:

  1. 安全保障や外交を考えても、自民党でいくしかない、というところでしょう。自民党の派閥争いのなかから、府知事のような人が現れてくれれば。中選挙区に戻した方が、選挙も面白くなりそう。

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  2. コメントありがとうございます。
    選挙制度改革がもたらした現状ってどうなんでしょうね。。。
    今更ながら中選挙区制が懐かしく感じます。

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