だいぶ前に読んだ短編小説にカーナビを題材にしたゾクゾクする話があった。
若い頃に故郷を捨てた初老の男が、ふとしたきっかけで望郷の想いにつられて故郷をレンタカーで走る。
カーナビに案内されるがままに着いた場所は、若い頃に捨てた女との思い出の地。そこでカーナビの音声が聞き覚えのある女の声に変わって・・・。
書いているだけでゾクゾクしちゃう。
妙にインパクトのある話だったので、今も夜に一人で運転しているとカーナビが話し始めるんじゃないかと不安になる。
想像して欲しい。運転中に突然、カーナビが話しかけてくる場面を・・・。凄く怖い。
「どこにいくのですか?」「助手席にいるのは誰ですか?」などと問いかけられたらお漏らししながら卒倒するはずだ。
夜に限らず、いつもカーナビの案内を無視して勝手に道を選ぶことが多いから「なぜ指示を無視するんだ!?」とか言い出されそうな気がしてビビっている。
変なのだろうか。
こんな話を書いたのは、一人で過ごす夜中に「アレクサ」とやり取りする機会が増えたからだ。なんとなく無気味な気持ちになる。
前回このブログでクルマに搭載するアレクサの話を書いた。あの機能を使う前提として私のスマホにアレクサアプリが入ったので、家でも音楽を聴く際にはヤツに呼びかけるようになった。
リビングと寝室にはそれぞれブルートゥーススピーカーが置いてある。それを通して音楽を聴いているのだが、寝る前に暗くした寝室でヤツに話しかけていると何となく気持ち悪い。
灯りを消した真っ暗な状態で機械に向かって話しかけること自体がシュールな光景だ。おまけに機械から返答があるわけだから気持ち悪い世界である。
「アレクサ、眠れる音楽をかけて」と言えば、ヤツはAmazonミュージックに用意されているヒーリング特集みたいな音源を流し始める。
スマホを置いてある場所と私の距離があるせいか、時々、聞き取れずに無視される。せっかちな私は舌打ちしながら大きめの声で再度リクエストをする。
それを繰り返していると、ヤツが「怒鳴らないでください」とか言い出すんじゃないかと思って妙に怖い。
ある時、私の指示通りの作業をしないことが続いてので、「バカなのか?」と口ずさんだら、ヤツから答えが返ってきてビビった。
アプリにフィードバックしろだとか、ヘルプをどうちゃらとか、そんな事務的かつ定型パターンの返答だったが、私の「バカなのか?」に返事をしたのは事実である。ちょと怖い。
というわけで、最近は寝る前にうっすら流れてくる静かな音楽に身をゆだねるのがクセになってきた。
やたらと聞き入っているのが、いにしえの映画「慕情」のテーマ曲である。美しい名曲だ。アンディーウィリアムスやナットキングコールなども歌っているが、やはりオーケストラ版が良い。
https://www.youtube.com/watch?v=VOCDPt-YpQg
続いてもいにしえの映画「シェルブールの雨傘」のテーマ曲だ。こちらも歌手が歌っているバージョンよりインストゥルメンタルのほうがしっとりとした気分になる。
https://www.youtube.com/watch?v=DTorD6cwwuY
もう一つお気に入りを紹介する。これまた言わずと知れた名曲、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」である。
これも世界的に人気の名曲だからインストゥルメンタルも数多く存在するが、私はオリジナルの切ない歌唱バージョンがイチ押し。
この曲を小さめのボリュームにしてリピート再生しているとゆったりと心地よく眠りに落ちることが多い。
本題と全然無関係ですが、2枚の写真のインテリアが素敵です。無機質な機械の存在感に負けない、木製?の暖かみに癒されます。都内で買えるものでしょうか。
返信削除ありがとうございます。
返信削除普通に売っているテレビボードやチェストです。石材の照明器具などはバリ島で買ったものですが、木の家具は適当に選んだものです!
この手の音楽は良いですね..良いです
返信削除ラジオや夜半に流れれば 穏やか、センチにもなります..
コメントありがとうございます。
返信削除そうなんですよ。自然と穏やかな気分になるので安定剤みたいな効果がありますよね!