昨年後半から続いていた倦怠感との付き合いがようやく治まってきた。やれやれである。
毎朝、ラジオ体操第一をフルパワーで2セットやることを欠かさなくなったことが原因だろうか。他にもやたらと歩くようにしたことも大きいかも知れない。
住まいも職場も京橋近辺だから、東京駅や有楽町、銀座あたりを歩くことは多い。寒い時でも地下街や国際フォーラムの中を移動していれば寒風を避けられる。
のんびりと住宅街を歩くのも楽しいが、都心をぶらぶら歩くと目に入る景色がさまざまに変化するから飽きない。
新橋に「ニュー新橋ビル」があるように有楽町には「交通会館」がある。昭和っぽいものに惹かれる私はこの種のレトロな商業ビルが好きだ。
交通会館には各自治体のアンテナショップが集中しているから全国の名産品をブラブラ見て回るのも楽しい。
人出が少ない場所を狙う時は夜の東京駅がオススメだ。ライトアップされた駅舎は単純に美しい。周辺の道路も広く、どこなく空気も綺麗に感じる。
最近は、銀座あたりに夕飯を食べに行く際もエッチラオッチラ歩いて行くことが少なくない。タクシーで行くと目的地直行になってしまうが、歩いていれば探検気分も盛り上がる。
入口に「喫煙可能店」というステッカーが貼ってある店はしっかり覚える。覚えるというか、吸い込まれるように入店してしまう。禁煙ファッショの世の中では貴重な店だ。
先日は日比谷寄りの「鉄兵」という店に吸い込まれた。大人向きの小綺麗な焼鳥屋さんだ。
奇をてらった感じはないが丁寧に仕上げられた焼鳥はキチンと美味しく、豚バラ肉のチーズ巻やシソ巻など変わり串も酒のアテに抜群だった。
1本700円ぐらいの牛ヒレ串がメニューにあったので、富豪ぶって注文してみた。かなりウマかった。牛肉が年々苦手になっている私でもおかわりしてしまったほど。
とにかくタバコが吸えて真っ当にウマいものが食べられるお店は貴重だから再訪確実だ。
別な日、おでんでも食べようかと夕暮れの銀座を歩いていた。随分ご無沙汰の「おぐ羅」を目指していたのだが、路上で昔なじみのホステスさんに遭遇。
立ち話で近況報告を交わす。時間は5時半ぐらいだったのだが、このご時世だから5時から店は開いているという。
オネエサンの店は銀座の名門、クラブ「麻衣子」だ。「おぐ羅」の真向かいに位置する。急ぐ用事もなかったお人好しの私である。気付けばまだ明るい5時半からクラブ活動という珍事になってしまった。
さすがに銀座の名店でもそんな時間にお客さんはいない。ホステスさんも皆さんマスクを外さずに接客している。おかげで全員が美人である。
お客さんのいない店に響き渡るのは私のいつものワイ談である。シュールな光景だった。
1年半ぶりぐらいの訪問だったのにボトルが残っていたのがさすがである。ただ残念なのはここにも禁煙の波が押し寄せていたことだ。
紙たばこはカウンターの一部のみOKで、席では電子タバコだけが許されるようになっていた。一応、四半世紀前のこの店を知る私としては切ない気分になった。
まもなく緊急事態宣言が解除されれば、銀座の夜にもそれなりに活気は戻るはずだ。戻ってもらわないと文化の危機!である。
この画像のようなガラガラの状態は今だけの特殊な状況だとは思うが、こんな体験が出来たのもアテもない散歩の副産物だろう。
犬も歩けば・・・ではないが、家に閉じこもっているより、ぶらぶらと散歩に励めばいろんな景色が見られるから悪くない。
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