2021年3月10日水曜日

江戸東京博物館 浅草「ヨシカミ」

今年の大河ドラマは渋沢栄一の生涯だ。主人公が二枚目過ぎるのと、前半特有の若者時代のストーリーの退屈さには目をつぶって毎週欠かさず観ている。

 

渋沢栄一の残した言葉に次のような“格言”がある。

 

「もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である」

 

中高年世代にとっては実に含蓄のある言葉だ。胸に刻まないといけない。

 

私が大事にしている言葉の一つが「足るを知る」である。上の格言とは相反するが、両方とも生きる上で必要な心がけだ。要はどっちも大事である。

 

足るを知ることは、無闇に人をうらやんだり、不平不満ばかり言い出すチンケな人間にならないための思考法だ。この考え方を否定する人はヤボな人物に多い。

 

とはいえ、人間として向上心を忘れては元も子もない。「満足イコール衰え」もよく分かる。

 

仕事はもちろん、遊びにおいても忘れてはならないのが“プチ欲求不満”を維持することだと思う。それが張り合いにつながるし、創意工夫にもつながる。

 

何だか説教くさい話になってしまったから軌道修正。

 

歴史モノがそれなりに好きな私にとってワンダーランドみたいな場所に散歩に行ってきた。

 

両国にある江戸東京博物館である。東京人なら何度も足を運ぶべき場所だと思う。入場料600円の割には実に勉強になるし面白い。

 





 

精巧に作られた江戸の町のジオラマは圧巻。ミニチュアサイズで復元されている江戸城の美しさも必見だ。

 

江戸から東京へと変わっていく都市の変遷だけでなく、様々な文化の足跡が学べてとても楽しい。いま自分が生きている都市の歴史をストレートに学べる。

 

身体のことを考えて最近は意識して歩くようにしているのだが、ここをじっくり見て回ると立ちっぱなしの効果もあって、かなり効果的だ。

 



 

この日、足腰と頭が結構疲れたから、昔ながらの江戸前寿司でも食べに行こうと少し足を伸ばして浅草まで出かけた。

 

中途半端な時間だったので、お目当てのお寿司屋さんは開いておらず、何を食べようかしばし悩む。

 

結局、浅草イコール洋食という私の強固な思い込みのせいで、昼から通しで営業していた人気店「ヨシカミ」に足が向いた。

 



 

絶品タンシチューである。濃い目の味付けがまさに昔ながらの東京の洋食だ。白ご飯が一番合うのは分かっているのだが、欲張りな私は白ご飯は半分だけもらって、別途チキンライスを注文。

 



 

目の前で調理されるチキンライスを眺める。プロの手付きにほれぼれする。あんな鍋の振り方をマスターできたら自宅で毎日チキンライスを作りたくなるはずだ。

 



 

ほのかな甘みがあって、ケチャップが強すぎず実にバランスの良い味わいだった。浅草イコール洋食という私の固定観念が一層強まる結果となった。

 

私にとって東京は単なる地元だ。日頃、東京を特別な意識で捉えることはないが、こんな過ごし方をしてみると“我がふるさと”みたいな感覚が強まってなかなか面白かった。

 

 

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