寒さが本格的になってきた。先日は東京でも積もる程度に雪が降った。あの日、天気予報をよく見ていなかったから靴はピカピカの一軍靴、コートも今シーズン初めて着るカシミアだったから大迷惑だった。
適当なダウンを着込んで三軍扱いの靴で過ごすべきだったのに大失敗である。職場から帰る時にはタクシーもまったく拾えなくなって歩いて帰宅。雪をもろに浴びまくってしまった。情報弱者みたいなミジメな持ちになった
この日のコートは私にとって真冬の相棒である。10年以上前に作ったお気に入りだ。中年になったら身だしなみが一層大事になると思ってウン十万円もの大枚をはたいてオーダーした。その時の話はこちら。
作ったのはトレンチコートなのだが、カシミアでは仕立てるのが難しいという理由で引き受けてくれるテーラーを探すのに少し手間取った。
毎年寒さが本格的になると活躍してくれる。ぬめぬめした触り心地が最高だ。10年以上経ってもまったくヘタレていない。やはり良いものを買って大事にすることは節約の王道?だと思う。
靴をめぐる名言にこんなフレーズがある。
丈は膝下30㎝近くになるほど長くした。短いコートばかりがモテはやされる風潮への抵抗だ。気をつけないと階段で踏んづけそうになるほどだ。
カシミアのコートはこれ以外にもキャメル色の長いコートも仕立てたが裏地がどうも気に入らずに出番はちょっと少ない。
それ以外にも市販のウールのグレーコートと紺のトレンチコートを気温やスーツの色に合わせて使いわけている。市販のコートは一応高級ブランド製だが、実はアウトレットで半額ぐらいで買ったから安物だ。
寒さが厳しい日は普通にダウンコートを着たくなるのだが、スーツにダウンというスタイルが個人的に好きではない。痩せ我慢してコンサバなビジネス向きのコートだけを着るようにしている。
これも私にとってはこだわりの一つだ。どうでもいいこだわりと言われてしまえばそれまでだが、やはりスーツを着ている時の出で立ちは保守的であることを良しとしてしまう。
時代遅れだろうと自分なりのスタイルから外れると何だか落ち着かない。結構な歳になったのだからドンドン妥協すればいいと頭の中で悪魔がささやくのだが、ここで脱線すると自分がアッという間にフニャフニャになってしまいそうで我慢している。
バッグにしても持ち手が長いイマドキ流行りのトートバッグなどは苦手だ。ついでに言えばリュックもスーツにはまったく似合わないので普段着の時以外に使うことはない。
リュックとスーツの話は過去にも書いた。
なんだかんだ言って人は見た目が大事だ。それが現実社会の真理だろう。変に若ぶるのも痛々しいが、年相応に「シュっとする」意識はキチンと持ち続けたい。
誰の目を気にしているわけでもない。いうなれば自分の気持ちに向けて身だしなみを整えているのだと思う。
つまらないこだわりではあるが、こういう思い込みって案外大事かもしれない。オシャレをしているという感覚とも違う。自分だけの規律みたいなものだ。
放っておけばフニャフニャになってしまう自分を律するためには小さなこだわりで構わないから“マイルール”を作って縛られてみるのが手っ取り早いと思う。
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