2022年5月9日月曜日

明治屋がある幸せ

 

子供の頃、母親にくっついてスーパーマーケットに出かけることが好きだった。知らないものがいっぱいあるし美味しそうなお菓子やジュースを眺めているだけでも幸せだった。まさに眼福の時間だった。

 

買い物袋を持つ報酬として毎回チョコレートを一つ買ってもらった。自分の部屋の秘密の引き出しにチョコが少しずつ貯まっていくのが喜びだった。

 

時々、小腹が空いているとチョコではなくスーパーの店先で売っていた押し寿司を一つ買ってもらった。たいていバッテラだった。確か280円だった記憶があるから大昔の話ではある。

 

さて、スーパーでの買い物といえば今ではすっかりネット専門だ。Amazonフレッシュ、楽天西友、イトーヨーカドー、ライフなどいくつも会員登録して使い分けている。

 

ネットスーパーの買い物はやたらと便利だが「眼福」という要素が無いのが退屈だ。購入履歴から日常的に買うものを注文したり、その時に足りていないモノを買うのが中心でウィンドウショッピング的な楽しさはない。

 

ネットスーパ-の検索窓に適当な商品を書き込んで探せば見たことのない新商品にも出会えるが、臨場感という点ではちっとも面白くない。

 

仕方ないから時々散歩の途中で大きめなスーパーに立ち寄ってウロウロと品物を眺めたりする。ネットスーパーでは見当たらない商品を見つけると嬉しくなる。

 

用も無いのにスーパーに出かけると余計なモノを買ってしまいがちだが、それこそが日常の喜びそのものである。ちょっとした秘密の宝物を発見したようなワクワク感がある。

 

私の職場から歩いて行ける距離に高級スーパーの本家・明治屋がある。高いモノが多いので節約のために頻繁に入らないようにしているのだが、前を通るとついつい引きこまれる。

 

眼福な商品がいっぱいあって楽しい。普通のスーパーとはもちろん、成城石井あたりと比べても品揃えが随分違う。独特の世界だ。

 


 

最近、何度も買ってしまったのがカツサンドが人気の「まい泉」とあんパンの本家である「木村屋」がコラボした「あんバターサンド」である。初めて見つけた時には鼻の穴が全開になるほど興奮した。

 

そのまま食べるよりもレンジでちょとだけチンするとバターが溶け出して反則技みたいな美味しさになる。悪魔的である。カニを食べている時と同じように無言になる。無言というより無心だ。うっとり味わう。言葉はいらない。

 


 

衝動買いで見知らぬモノを買うのも楽しい。高いといっても洋服やバッグを買うわけじゃない。主婦的な感覚なら理解不能の行動なのだろうが、私には主婦感覚は1パーセントも無いので必要のないモノまで買ってしまう。

 





 パンに塗るきなこ、かりんとうあられという謎の菓子、枝豆ポタージュスープである。なんだか謎めいたライナップである。トライ&エラー?を気にせずこういう物珍しい商品を買うのは素直に楽しい。

 

レトルトも高級路線の商品がアレコレ揃っているからついつい手を出してしまう。賞味期限が長いという魔力のせいで自宅にあるストックを考慮せずに買い込んでしまう。

 

レトルトカレーについては何年もかけて随分研究したから今はカレー以外の商品に目が向く。ビーフシチューあたりだとニンジンがエラそうにゴロゴロ入っているのでそっち系は避ける。

 




 

明治屋オリジナルのハヤシライスだけでなく「資生堂パーラー」の冠付きのハヤシが目に入れば迷わず買ってしまう。レトルトカレーにちょっと飽き気味だからご飯の共としてビーフストロガノフも見つければ必ず買う。

 

それぞれ値段が高いのは分かっているが、値段表示をじっくり見ちゃうと罪悪感に襲われるのでなるべくそこは見ないようにしている。

 

で、買い物カゴにその他の怪しいお菓子などもあれこれ詰め込んでレジに持っていって総額を見て倒れそうになるのがいつものパターンである。

 

ムダ使いである。でも私はゴルフもやらないし銀座のクラブ活動もセミリタイア中だし、海外旅行にも行ってない。このぐらいの散財は鼻で笑ってやり過ごしている。

 

 

 

 

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